中日両国>
japanese.china.org.cn |27. 05. 2021

在日ウイグル族青年が語る故郷・新疆

タグ: 新疆


多民族共生の地新疆

パルチさんが新疆の日常について語る際のキーワードは「多民族」だ。「私のおばの友人には漢族も回族もいます。昨年新疆で新型コロナウイルスが流行した時、外出自粛生活中のおばは友人と麻雀をしたりエアロビクスをして過ごし、その生活が終わったあとも運動は続けたため、結構なダイエットになったと言っていました。おばの回族の友人は割と裕福なので、自発的に新疆南部のウイグル族貧困家庭の脱貧困に手を貸していました。新疆最大の特徴は多民族の共生で、全ての民族が日常生活の中で自然に溶け合っているため、無意識のうちにそういうことができるのでしょう」

結婚式で各民族の友だちは一堂に集まり、楽しく踊って祝った。

文化についても同様だとパルチさんは語る。「新疆にはウイグル語だけ、中国語とウイグル語の併用、中国語だけと3種類の学校があり、どの学校に通うかは自分で選択できます。私のいとこは併用の学校に通っていましたが、まずウイグル語だけの学校に通わせて母語の基礎をつけてから、中国語の学校に通わせるという選択をする親もいます。私は中国語の学校に通いましたが、家族との会話はウイグル語でした。私は小さい頃から、このような多元的文化の中で育ってきました」

「私は広東省の新疆ウイグル自治区支援高等学校教育プログラムに応募し、広東省の高校に入学しましたが、入学当初同級生に『新疆って全部砂漠なの?』と聞かれたことがあるのです。そこで私は、新疆には金色に輝く砂漠だけではなく、緑の草原や真っ白な雪山、青い水をたたえた湖もあると説明しました。新疆はとても大きい上に内陸部の経済発展は遅れがちだったため、国外のみならず中国の沿海地域の人々も新疆のことをあまりよく知らないのだろう、とその時に気付きました。自分が当たり前だと思っていることを他人も知っているとは限らないのです」

この高校時代の経験から、日本の人々の新疆に対する誤解も十分理解できるとパルチさんは語る。「東京では本物のハラルフードはめったに見られないので、食べたいと思ったら自分で作るしかありませんから、日本に来てから料理の腕がめきめき上がりました。中国ではウイグル族の伝統祝日に合わせて休みになりますが、日本の職場では、断食のために休暇を取りたいと上司には言い出しにくいのです。多くの単一民族の国の人々は、新疆のように多民族が共生して、互いの文化を尊重し合うような情景を見たことがないのだと気付きました。私が声を上げることで、新疆では多民族の共生は至って普通なことなのだと日本の友人に知ってもらえればと思っています」

<  1  2  3  4  5  >