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japanese.china.org.cn |06. 07. 2023 |
中国のバラエティ番組に出演したMARiAに励まれた北京大生
文・写真=劉牧原 北京大学日本語通訳修士
女性の成長・活躍を提唱する中国のバラエティ番組「乗風破浪的姐姐(困難をものともせず前進するお姉さま)」は放送当初から注目を集め、若者の間で人気を集めている。今年シーズン4を迎えた「乗風2023」に、日本のACG歌手のMARiAが出演した。
2016年、MARiAは二次元の「神曲」と呼ばれる「極楽浄土」及びそのバタフライステップで中国の若者が熱中する動画配信サイト・ビリビリで一気にヒットした。それがきっかけで、中国のコミックマーケットに何度も招待された。ちなみに、私も中学生の頃、よく仲間とコミケに参加し、「極楽浄土」は誰もが知る歌で、青春の思い出そのものだといえる。MARiAがこの歌を中国のバラエティ番組で披露すると、まるで次元の壁が打ち破られたような大きな注目を浴びた。
特に、中国人歌手の龔琳娜とMARiAのコラボに深い感銘を受けた。事業のボトルネックに直面していたMARiAは今回、他国の番組で競い合うことに自信がなさそうだった。一方、龔琳娜は優れた歌唱アーティストだが、かつて自分のルックスにコンプレックスと不安を感じ、ピンク色の服を着る勇気さえなかったという。しかし、MARiAの実力を信じて疑わない龔琳娜は進んで心を開き、自分のつらい経験を引き合いに、素直かつ優しくMARiAに勇敢に自分の魅力を見せるよう励ました。MARiAも涙ながらに「あなたはとても綺麗。ピンク色もよく似合うと思う」と応えた。
こうして、1回目の公演で2人はピンク色の衣装をまとい、互いの言語で「花海」を歌い、延べ視聴回数1000万回を超える芸術的価値の高いパフォーマンスを披露した。国籍が異り、言葉も通じない2人の女性は、最も簡単な言葉で最も純粋な善意と互いへの賞賛をうまく伝え、心の中の恐怖を信念と実力で打ち破り、自分自身を超越する姿に思わず涙をこぼした。
もう一人、同じ番組で名が売れた出演者がいたことを思い出した。それは北京大学の考古学科を卒業した劉恋である。大学の「兼容並包(すべてのものをことごとく包容する)」の雰囲気の中、自由な成長環境に恵まれた劉恋はギター協会に入り、キャンパス歌手コンクールでの1位に君臨し、Mr.Missというバンドを結成してボーカルを担当している。彼女は名門大学にとらわれず、大勢の学生が追いかける大学院推薦入学のチャンスを手に入れたが、結局諦め、ただただ音楽の夢を追い続けた。33歳の劉恋は、フォーチュン500の大手広告企業でクリエイティブディレクターを務めるとともに、ステージに上がって再出発した3代目「お姉さま」でもある。彼女が歌詞に書いたように、
この年は想像したほど恐しくない
好きなことによって自分を養うのは
私が最も誇りに思っている決定
……
平凡に甘んじることなく、冒険を楽しむ。劉恋は才能と態度を通し、青年女性としての素晴らしい人生を描いている。
この番組は私にとって、楽しむだけでなく、女性の成長についていろいろ考えるきっかけにもなった。自己認識がはっきりしていて、独自の考えと情熱を持ち、理解されなくても自分の道を揺るぎなく歩み続けられる人は、どんな困難にも負けない。私たちZ世代の若者は数え切れない選択肢を有し、20歳でも、30歳でも、40歳でも、人からどう思われるかを気にせず、自分らしく輝いていこうではないか。もし挫折したら、「お姉さま」たちの素敵な歳の重ね方を思えば、一からやり直す勇気が湧いてくるだろう。女性の皆さん、ルックスと年齢の不安を切り捨て、常に好奇心を持ち、可能性を探り続け、波を切って進んでいきましょうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月6日