中日両国の指導者は現地時間16日午後、昨年11月のタイ・バンコク会談から1年ぶりに会談し、今回も中米首脳会談後のタイミングとなった。これは中米関係と中日関係の連動性を占めている。
実際に過去1年の中日関係の歩みは、中米関係に足を引っ張られた形となった。これは主に日本の対中政策が米国に強く追随・依存するためだ。台湾問題や南中国海問題ではさらに米国よりも過激で、米国の対中ハイテク輸出規制にも協力的で、NATOなどの域外軍事勢力のアジア太平洋への導入についてもより積極的な態度だ。これらは中日関係に新たな困難をもたらした。さらに日本の福島核汚染水放出問題における無責任ぶり、また歴史問題や釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題などの新旧の問題が加わり、中日関係の基礎が損なわれた。日本側は直ちに損切りをし、調整する必要がある。この状況下、中日首脳会談には大きな期待が寄せられた。特に中日関係改善への日本各界の願いは切実だ。
両国首脳は会談において、中日の4つの政治文書の原則と共通認識を守ることに改めて言及し、戦略的互恵関係を全面的に推進する両国関係の位置づけを再確認した。新時代の要求に合った建設的で安定的な中日関係の構築に取り組むとした。これは根本的に、今後の長期安定に向け中日関係の再調整を行った。メディアは「戦略的互恵関係」という言葉が久しぶりに用いられたことに注意している。これには両国首脳の中日関係への特別な願いが込められている。
米国による近年の対中抑制・抑圧という戦略の変化において、日本は積極的な姿勢を示した。中米関係が緊張すると日本の中国への振る舞いも過激化し、中米関係が改善されると日本もそれに従い対中関係の改善を目指すという印象がある。中国が日本と第三国の交流に干渉しないのは、中国による中日関係の発展が両国の実情を立脚点としており、両国及び両国人民に資することであれば支持するからだ。事実もまた、独立し自主的に中日関係を見据え発展させることで初めて、両国及び地域にプラスのエネルギーを創出できることを証明している。これについて日本は特に戦略的な自己矮小化を避けるべきだ。
思慮深い人であれば、「信義を守る」よう日本側に促す言葉が、中国の対日外交に何度も現れていることに気づくだろう。「信義」とは儒家文化圏内であれば伝わる言葉で、英訳すれば米国人には理解し難いかもしれないが、日本人には分かるはずだ。一つの中国の原則と中日の4つの政治文書の精神を守ることが信義であり、「互いにパートナーとなり、互いに脅威とならない」という政治の共通認識を守り実践することが信義だ。信義を守れば、中日関係が脱線することはない。
メディアの報道によると、日本は中国の指導者とのサンフランシスコでの会談の実現に向け、非常に自発的かつ積極的な姿勢を示した。今回の会談のために日本側は「最大限のロビー活動」を行ったという。秋葉剛男・国家安全保障局長をわざわざ北京に飛ばせたほどだ。今回の会談の両国関係への指導的意義については言うまでもない。これは中国側の大国としての責任感、地域の平和と安定に対する善意を示している。日本側はより多くの実際の行動により中国側と向き合い歩み寄るべきだ。これは中日の長期的な利益であり、日本の国としての信用でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月20日