東京大学非常勤講師のデイビッド・マクニール氏は今年5月に「Asia-pacific Journal-japan Focus」に掲載した記事の中で、この50年で日本メディアの中国関連の報道に生じた変化を分析した。70年代の中日国交正常化後、日本メディアの中国関連の報道の多くは中国の発展に重きを置いた。しかし90年代になると状況に変化が生じた。日本の保守派は第二次大戦の大半の通説(中国における戦争の暴行を含む)に挑戦し始めた。同時に日本メディアの中国関連の報道は、「台湾海峡の緊張情勢」「中国の米日同盟関係への懸念」などの内容を喧伝するようになった。中国が2010年に日本を抜き世界2位のエコノミーになり、さらに日米同盟への自信の低下により、日本の民族主義者は大きな焦りを抱いた。
上海外国語大学日本文化経済学院教授の廉徳瑰氏は「環球時報」に、「日本メディアは往々にして政治勢力と切っても切れない関係を持ち、これらのメディアは中国問題の報道で特定の立場と伝え方を持つ。日本メディアの大半は表面上、独立し経営されている。しかし実際には、公共放送機関のNHKがテレビを設置した各世帯の受信料を財源としているが、その他のメディアは広告費を必要とし、バックには異なる財団と政治組織がある。これは、これらのメディアが異なる政治的傾向を持つことを意味している」と述べた。
黒竜江省社会科学院北東アジア研究所の笪志剛研究員は「環球時報」に、「メディアの観点は自身の立場だけでなく、裏側の特定の支持層も代表する。社会に分断が存在すれば、メディアの観点は実際には社会における各グループの声を代表する。メディアの報道と分析は民意を導く可能性があり、民意も逆にメディアの内容と方向に影響を及ぼす」と分析した。
中国に長年駐在する「読売新聞」の記者は「環球時報」に、「多くの日本の商業メディアは読者が読みたい記事のみを作り、世論の誘導を考慮しない。そのため一部の日本メディアの中国関連の報道は高い攻撃性を示す。読者の中国への見方が非友好的で、ネガティブな情報を見たいからだ」と述べた。
また日本の学者は頻繁に、日本メディアの国際ニュースの報道における「西側中心論」の問題について議論する。一部の日本メディアは中国について報じる際に、往々にして西側メディアの報道に依存し、さらには西側メディアの分析と観点を直接引用し中国について解読する。このようなやり方により、日本メディアの中国関連の報道に西側の目と傾向が備わり、独自性が欠ける。特に西側メディアが中国関連の報道に偏見を持つ場合、日本メディアの二次引用はこれらの偏見をさらに拡大する可能性がある。
また一部の学者は、日本メディアの中国関連の報道に変化が生じると同時に、その国際ニュースの報道全体にも変化が生じていることに注意している。大阪大学を拠点とするメディア研究機関「Global News View」の編集長である、オーストラリアの学者のヴァージル・ホーキンス氏は、「日本メディアの報道の重心は90年代より徐々に国内に転じ、国際ニュースの量が約40%減少した。これは国民の中国への認識に影響し、より広く日本人の国際問題に対する全体的な認識不足を招いた」と分析した。日本の学者である飯山陽氏と島田洋一氏は今年1月に出版した「日本の国際報道はウソだらけ」の中で、政府とメディアを鋭く批判した。日本の多くの国際ニュースはズレており、一部の国会議員は中東情勢について無知だとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月19日