米国、日本、フィリピン、韓国が参加する多国間合同演習「カマンダグ(海上戦士協力)」が26日に幕を開けた。日本陸上自衛隊「水陸機動団」と韓国海兵隊が初の共同演習を展開することが特に注目される。米国主導の安全保障協力枠組みにおける日韓防衛協力は、さらなる進展を見せる可能性があるのだろうか。
日韓防衛協力の強化は、米国が推進する米日韓「ミニ3カ国」メカニズムの成果である。しかし現在、米日韓三国の政治情勢は以前と比べ大きく変化しており、日韓防衛協力のさらなる進展には不透明な要素が多いと見られている。
まず、次期韓国政府の対日防衛協力強化への意欲が減退する可能性がある。現在、支持率で大きく先行する韓国・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領候補は、当選後に「実用外交」戦略を採用し、韓国の国益に基づき中米日露4カ国との関係を発展させると表明した。李政権が誕生した場合、尹錫悦政権期に比べ日韓防衛協力の進展や米日韓3カ国間協力への関与がより慎重になる見込みだ。
第二に、日韓間には複雑な歴史問題と領土紛争が存在し、防衛協力強化への国民的基盤が脆弱である。
第三に、米国の関与縮小も日韓防衛協力を弱体化させる可能性がある。米新政権は「アメリカファースト」を掲げる中、新たな米日韓協力枠組みでより多くの利益を求めつつ過剰な義務負担を避け、「防衛費」増額を日韓に迫っている。米国が手を引く状況下で、圧力によって無理にまとめられた日韓防衛協力は持続性が不透明だ。(筆者=楊丹志・中国人民大学国家安全研究院上級研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年5月28日
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