日本・八戸市の焼肉店では、上海擎朗智能科技(キングスマート)製の配膳ロボットが狭い通路を機敏に移動し、料理を届ける様子が見られる。人件費高騰と深刻な高齢化を背景に、日本のサービス業ではロボット導入が急拡大中だ。しかし同社が5年前に日本市場へ進出した当初は「全く売れない」という苦い経験があった。
その背景には文化的差異が存在した。日本では小型で親しみやすいデザインが求められるため、中国で主流の大型ロボットは現場で機能しなかった。そこで擎朗は現地ニーズに応え、幅49cmの極狭通路を通過可能な超小型モデルを新たに開発。日本語音声対応や表情表示機能を搭載し、タイヤの床汚れ対策などの細部まで徹底的に改良した。
さらに、現地サポート体制を強化。日本国内200ヵ所以上の技術拠点で、故障時の2時間以内の初動対応・24時間以内の完全修理を保証。こうした信頼性と人件費の3分の1という低コストが評価され、現在では飲食チェーン、ホテル、図書館などで広く採用されている。加えて、データ処理の現地化(ローカルサーバー設置)や部品の現地調達、日本式経営に適合したアルゴリズム最適化も進めている。
物流ロボット分野でも中国企業が存在感を増している。浙江牧星ロボット社は、分荷システムやGTP(Goods to Person)ソリューション、荷重50kg~1.5トンの搬送ロボットを提供し、医薬品倉庫や自動車メーカーで実績を積む。同社製品の7割以上は先進国向け輸出で、受注は9月まで埋まっている。上半期売上高は前年比約30%増と堅調な成長を続ける。
帝京大学の露口洋介教授はこの動きを、「中国ロボット企業の規模重視から技術・品質・ブランド競争への転換は、中国製造業の高度化の象徴だ」と評価する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年8月12日
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