日本の高市早苗首相の台湾に関する誤った発言が最近、批判を浴びている。日本政府も最近、一連の軍事措置を講じ、軍備拡張の動きを見せている。「環球時報」が伝えた。
「先制攻撃能力」の保有を目指す日本
高市氏の首相就任後、日本の「再武装」プロセスが加速を続けている。米ニュースサイト「USNI News」は11月17日、日本が開発中の極超音速ミサイルシステムの試験配備を実施したと報じた。さらに、今後数年間に「トマホーク」巡航ミサイルや共同攻撃ミサイル、「12式地対艦誘導弾能力向上型」を配置し、対艦能力と敵基地への反撃能力を向上させるという。また、11月23日付「朝日新聞」によると、台湾島から約111キロ離れた日本最西端の与那国島に「03式中距離地対艦誘導弾」を配備する計画がある。加えて、高市内閣は平和憲法の制約を突き破り、殺傷武器の輸出を推進し、「非核三原則」の改正を企てている。これら軍事規制緩和の一連の動きは各界で、日本軍国主義の再燃への懸念を生んでいる。
軍事専門家の張軍社氏は最近「環球時報」の取材で、「日本は現在、攻撃的武器装備の開発・配備を露骨に推し進めている。これは平和憲法の専守防衛の原則に著しく反し、ポツダム宣言が明確に定めた日本再武装禁止の規定にも著しく反する」と述べた。近年の日本の武器装備状況を見れば、現在の日本政府の「攻撃的」な動きが明らかだ。例えば、第5世代戦闘機F35−Bを搭載した「いずも」と「かが」は、ヘリコプター空母から準戦闘空母にアップグレードされており、完全に攻撃的武器となる。日本は世界最大の通常潜水艦「たいげい型」を複数開発しており、これも防御的武器とみなしにくい。加えて、日本は既存の12式地対艦誘導弾の射程を拡大し、1千キロ以上の射程を持つ極超音速ミサイルと巡航ミサイルを開発し、米国から「トマホーク」巡航ミサイルを輸入している。これらの行為は、第二次世界大戦の侵略国かつ敗戦国としての日本がポツダム宣言を完全に無視し、「先制攻撃能力」を発展させていることを示している。
歴史との「驚くべき類似性」
国際戦略学者で中国現代国際関係研究院研究員の楊霄氏は最近「環球時報」の取材で、「第一次世界大戦後のドイツによる発展の流れと、21世紀以降の高市早苗を含む日本の数人の首相による軍事的主張を比較すれば、景気停滞―安保不安―軍事突破という類似した道筋をたどっていることが明らかだ」と述べた。現在の日本は第一次世界大戦後のドイツと非常に類似している。どちらも「平和主義」から「現実主義」への転換を求めているというのだ。楊氏は、「日本の転換点は21世紀初頭の不動産バブル崩壊以降で、長期デフレ、財政圧力、人口構造の変化が国家安全保障に関する観念を再構築した。以前の『新防衛指針』や防衛庁の防衛省への昇格の本質は、専守防衛の制限を突破しようとしたことにあり、1935年にヒトラーがドイツ再武装を宣言し徴兵制を復活させたことと同じだ。前者はポツダム宣言に反し、後者はベルサイユ条約に反する」と指摘した。
もう一つの類似点は、軍事費増額の驚くべき一致だ。11月28日付「日本経済新聞」によると、日本で同日閣議決定された2025年度補正予算には防衛関連費として1兆1千億円が計上され、9兆9千億円の当初予算と合わせた2025年度の防衛費が合計約11兆円に達し、対GDP比が2%となった。日本は防衛予算を13年連続で増やし、第二次世界大戦前夜のドイツのペースと驚くほど似ている。楊氏によると、絶対規模は第二次世界大戦前夜のドイツに及ばないが、その増加ペースと専守防衛の制限を突破する狙いは非常に近く、これは現在の日本の「敗戦国再武装」が重要な局面にあるとの警告だという。
高市早苗が「加速ボタン」を押す理由
楊氏はさらに、「この100年を超えた類似性は偶然ではなく、その背後には同じ核心的な論理が存在する」と分析した。第一次世界大戦後のドイツと1990年代以降の日本は深刻な債務問題に直面していた。ドイツは戦争債券で経済を刺激しようとしたが、日本は国債を発行して膨大な防衛予算を賄おうとしている。
ロイター通信の2024年6月の報道によると、日本政府の債務残高の対GDP比は250%を超え、主要エコノミー中で特に突出している。報道によると、ギリシャ債務危機時のギリシャ政府の債務残高の対GDP比は180%超だった。
楊氏は、「借金で軍事を養うという日本のモデルは短期的にGDP成長をけん引できるが、全人類が再び戦争に陥るという深刻なリスクを残す」と述べた。
加えて、右翼政治勢力の台頭と戦略的自立への渇望は、日本の軍備拡張を推進する重要な「エンジン」となっている。楊氏は、第一次世界大戦後のドイツのナチスにせよ、日本の小泉純一郎、安倍晋三、そして現在の高市早苗首相にせよ、みな戦後体制の束縛の打破を主張する保守勢力の代表者だ。
楊氏は、「小泉内閣の時代、日本は日米同盟を軸に自衛隊をイラク戦争に派遣し、集団的自衛権の解禁を本質的に実現した。安倍内閣の時代、日本は『国家安全保障戦略』の改定を推進し、集団的自衛権の行使を明確に認めた。現在の高市早苗氏の台湾問題に関する誤った発言は、安全化ナラティブ、通常国家化の訴求、憲法改正などを利用し、景気停滞下の極右勢力の支持率上昇という勢いを借りて政権の基盤を固め、関連する政策アジェンダを進めている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月16日
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