社会科学文献出版社による「マンパワー青書:中国マンパワー発展報告(2013)」が10日、発表された。中国は、生産年齢人口の割合が低下し、マイナス成長に転じるという歴史的な転換点を迎えた。北京晨報が伝えた。
青書の概要は以下の通り。
中国の労働力供給は、全体量の面から見れば、まだかなり充足しているが、年齢別構成比では、ある程度の変化が見られる。国家統計局の統計データによると、低い出生率と高齢化の加速が続いていることから、15歳から64歳の生産年齢人口が占める割合は、2002年以降下落傾向にある。2012年時点における、15歳から59歳の生産年齢人口は9億3727万人で、2011年比345万人減、総人口に占める割合は69.2%と、2011年末比0.6ポイント低下した。生産年齢人口の絶対数が減少したのは、長い歴史の中で2012年が初めてとなった。
また、中国では労働参加率も年々低下傾向にあり、2005年の76.0%から2011年には70.8%まで低下した。労働力の供給構造に変化が現れ始めた。このほか、就業圧力は依然大きく、就業難状態が続いている。今後当面の間、就業需要がある都市・町の労働力は年間2400万人を上回るが、就業ポストは1200万前後しかないのが現状だ。「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」期間の卒業生は年平均700万人前後に達する見込み。農村部には1億人以上の余剰労働力があり、年間800万人から900万人の労働力移転が必要となっている。また、2億人以上の出稼ぎ農民のうち、不安定な雇用形態の人が多勢を占めている。
就業の安定性は、就業の質を評価する上での重要指標となっている。グローバル人材コンサルティング会社エーオンヒューイットの調査によると、中国における平均労働移動率は15.9%と、世界でも高いレベルにある。農民工の就業形態が「臨時雇用」の傾向を呈しており、それは雇用期間の短さと転職率の高さに表れている。農民工のうち、転職した経験の有る人は65.9%に達し、25%は7カ月以内に転職した。一つの職場での農民工の勤続期間は、総じてあまり長いとは言えず、平均2年前後で、前の仕事から次の仕事につくまでに、平均8カ月の間があいている。
「人民網日本語版」2013年10月11日