権利欲
能力に差はなくとも女性には権力抗争の時間がない
大企業や政界など、権力が集まる場所で、高い地位に就いているのは往々にして男性だ。例えば2012年、米国の参議院と衆議院の議員のうち、女性議員はわずか17%だった。世界各国もほぼ同様で、女性議員が男性議員よりも多いのはわずか2カ国だ。これは、動物の世界も同じで、ボスの地位を争うのは大抵オスだ。
米アリゾナ州立大学社会心理学のDouglas T.Kenrick教授は、「このような差があるからといって、男性のほうが指揮力があるというわけではない。なぜなら、女性の指揮下で働いている人は、その能力が男性より劣っているとは感じないからだ。『権力』という問題における男女の差は、『性別』そのものにある。例えば、子供の出産や世話において、女性は男性よりも時間を費やさなければならず、権利の奪い合いをする余裕がない。もし、男性も同様の立場であれば、権力における男女の差は縮まるだろう。女性も競争力ある男性的な配偶者を選ぶことを好む。このような『自然選択』の結果、男性の権利欲がどんどん強まっていく」と分析している。
精神疾患
女性は精神疾患を患いやすく、男性はお酒で解決
「世界メンタルヘルスデー」だった10日に行われた関連のイベントで、広東省広州市精神病病院の李潔副院長は、「各種精神疾患のうち、統合失調症には男女差がほとんどない。ただ、内分泌や脳の神経核の大きさなど生理的特長においては男女差がある。また、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患う女性の数は男性よりも多い。一方、タバコやアルコール、覚醒剤などに依存する男性は女性よりも多い」と指摘した。
オランダのある調査では、女性がうつ病を患う確率は男性の2倍で、男性が薬物を乱用する確率は女性の3倍であることが明らかになっている。最もよく見られるのは泥酔。また別の研究では、女性は不安障害を患いやすく、恐怖症の90%、広場恐怖症の75%、対人恐怖症の60%が女性だ。
李副院長によると、精神疾患における男女の差は社会環境と関係がある。例えば、女性は男性より、暴力を受けやすく、PTSDを患いやすい。Kenrick教授も、「暴力を受けた時の防御能力は男性のほうが優れている。下半身の力は男女であまり差がないが、上半身の力は男性が女性の2倍」と分析している。さらに、米国イェール大学の健康心理学者・Susan Nolen-Hoeksema士は、「女性のほうが貧しい暮らしを強いられる確率が高く、他の人の評価にも敏感。そして、困難に直面すると思い悩みやすい。一方の男性は悲しい時、お酒でそれを解決しようとする」と分析している。
女性にはさらに、出産や更年期という人生の二大難関が待ち受けている。出産後、女性はうつ病を患いやすく、うまく気持ちを調節できないとなると、自殺の可能性さえある。また、更年期に差し掛かると、女性は感情を制御できなくなったり、不眠症になったりする。李副院長は、「『産後うつ』になっている女性が更年期のしゅうとめと接しなければならないとなると、非常にやっかい。総合病院の心理科や心療内科で受診し、どのように対処すればよいか、医師の意見を仰ぐことが必要。医師は薬を処方したり、カウンセリングをしたり、入院するよう勧めたりするだろう」とアドバイスしている。
「人民網日本語版」2013年10月23日