9日に実施された東京都知事選において、元自衛隊航空幕僚長、「右翼の旗手」である田母神俊雄氏が60万票以上を獲得し、本人でさえも意外であったほどだ。日本メディアは、田母神氏はネット選挙の戦略と極右的な発言により、ネット右翼の人気を集めたと分析した。
ネット右翼とは、主にネット上で右翼的・保守的な意見を発信する人々のことで、他にも排他的な傾向を持つ個人や集団を指す。朝日新聞によると、ネット右翼の多くは低学歴・低所得の若者で、ネットを好んで利用するという。彼らは中韓を憎み、日本が韓国に支配されていると感じている。彼らは右翼の観点にとって有利な、確かではない「証拠」を集めることに熱中し、「陰謀論」を迷信している。
記者が日本のウェブサイトを閲覧したところ、ネット右翼がネット上の輿論を支配していることが分かった。2ちゃんねるは、ネット右翼が結集する「砦」だ。彼らは中韓両国に関するさまざまなことを必死になって軽蔑・攻撃し、ナショナリズムの旗を高々と掲げ第二次世界大戦の歴史を否定し、南京大虐殺や慰安婦問題などを認める文献を「自虐史観」と見なしている。また多くの親中派、中立的な立場を持つメディアを「売国奴」としており、鳩山由紀夫元首相も攻撃を受けている。彼らは安倍晋三首相ら、日本の政治家による靖国神社の参拝、侵略などを否定する言行に強く賛同しており、先ほどのNHK会長らによる慰安婦を否定する発言などを支持している。
法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授はブログの中で、日本は確かに右傾化しており、ネット右翼の活動などが活発化していると指摘した。五十嵐教授によると、ネット右翼などの排他主義は民族的な理由からヘイトスピーチを発信し、その勢力を強めているという。弁護士の猪野享も、日本の若者は景気低迷や就職難などの問題により、最も社会に反抗しやすく、権威により自分を強く見せるという傾向に陥りやすいと指摘している。これはファシズムの源であるのだが、これらの若者はそれを意識していない。記者の井上文男氏は文章の中で、「ネット右翼は自身の不満と弱い精神を抑えられず、かつ知識レベルが低いことからデータなどで反論できず、ネット上で扇動的かつ暴力的な発言を発信している」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月13日