一、海外医療支援チームの活動の概況
中国は1963年より、開発途上国に海外医療支援チームを派遣しており、2013年に50周年を迎えた。中国は2013年6月まで、アジア、アフリカ、中南米、欧州、大洋州の66の国と地域に海外医療支援チームを派遣した。派遣した医療スタッフの人数は延べ2万3000人に達し、延べ2億7000万人の患者を診断・治療した。中国は現在49カ国に海外医療支援チームを派遣している。そのうち42カ国はアフリカで、1171人の医療スタッフが113ヶ所の医療拠点に滞在している。全国27省(自治区、直轄市を含む)が、海外医療支援の任務を担っている。現在まで1001人の医療スタッフが、派遣先の首脳から勲章などの栄誉を授与されている。50人の医療スタッフが、疾患、負傷、戦乱、突発的な事故などにより、派遣先で殉職している。
二、海外医療支援チームの成果と貢献
中国政府は半世紀に渡り、多くの開発途上国に海外医療支援チームを無償で派遣し続けている。医療スタッフは国家の使命を担い、祖国の家族から遠く離れ、業務と生活の困難を克服し、卓越した医術と医師としての高尚な職業道徳により、派遣先の国民のため誠心誠意を尽くした。彼らは伝染病や一般的な疾患の予防に積極的に取り組んだほか、支援国に心臓外科、腫瘍摘出、義肢装着、低侵襲医学などの先進的な医学臨床技術を導入した。また鍼灸やマッサージなど、中国の伝統的な医療と中国・西洋を結合させた診療方法を、開発途上国にもたらした。彼らは現場での教育や学術講演などの各種形式により、派遣先の多くの医療スタッフを育成し、「帰らない中国医療チーム」を残した。
海外医療支援チームは、派遣先の医療衛生事業の発展を促進し、開発途上国の国民の健康水準を高める上で多大な貢献を成し遂げ、派遣先の政府・国民に歓迎され、賞賛を浴び、「開発途上国間の協力の模範」と称された。医療スタッフは、白衣の天使、友好の使者と称された。海外医療支援は人々の心に深い印象を残し、中国と多くの開発途上国の伝統的な友好を促進し、中国の対外交流の中で特殊かつ重要な力を発揮した。
三、病院の建設援助、マラリア予防・治療活動
中国政府は半世紀に渡り、アフリカ諸国で100軒以上の病院、多くの医療機器・薬品を無償提供し、アフリカ諸国の病院・薬品の不足を補った。特に2006年の中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットの閉幕後、中国はアフリカで30軒の現代化病院の建設、30軒のマラリア予防センターのマラリア診断実験室の設立に援助を提供し、多くの抗マラリア薬を提供した。当委員会はアフリカ27カ国に、マラリア予防・治療専門家チームを派遣した。これらの病院、疾患予防・治療活動は、アフリカ諸国の医療技術水準を高めた。
四、短期巡回診療、専門医療センターの建設
新たな情勢を迎えた派遣先の、医療衛生援助に対するさらなる期待と要望に応じるため、当委員会は海外医療支援チームの活動の新モデルを模索している。
短期巡回診療。当委員会は2010年より、各省で短期専門家チームを発足し、イエメン、ボツワナ、アルジェリアなどの派遣先で無料診断を実施し、現地で白内障手術を実施した。この活動は大きな反響を呼び、現地政府・国民から高く評価された。医療チームは1000人の白内障手術に成功しており、患者に光を届けた。
専門医療センターの建設。当委員会は江蘇省などの経済が発展した海外医療支援チーム派遣省から、ザンジバルなどのアフリカ諸国で特色ある専門医療サービスを提供した。ザンジバル医療支援チームが活動する病院に、中国医療チーム低浸襲外科センターと眼科センターを設立し、アフリカに先進的な医療技術を提供した。
五、衛生スタッフの育成
中国政府は長年に渡り、正規の教育により開発途上国のために多くの医師を育成してきた。彼らの多くは、優秀な医療専門家、衛生事業の管理者になった。中国は2003年より毎年、衛生関連の海外支援チームの研修を数十回実施しており、数百人の開発途上国の医療衛生スタッフを招いた。当委員会は近年、百回以上の研修を実施している。研修の内容には、伝染病の予防・治療(マラリア、エイズ、結核、住血吸虫症、フィラリア症など)、衛生サービス管理(衛生体制、病院の管理、農村部の衛生)、伝統医学(鍼灸・マッサージ、保健技術)、臨床手術、看護技術などが含まれる。これらの研修は医学的知識と技術を伝授するほか、中国と多くの開発途上国の医療界の相互理解、友好と信頼を促進した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月14日