氢(水素)、氦(ヘリウム)、鋰(リチウム)・・・・これらの化学「元素周期表」に出てくる漢字は中国の理科系の学生にとって特に目新しいものではない。しかしそれらの周期表の漢字は、日本のネット上で「極めて難解だ」と話題になっている。
まるで将棋の駒や麻雀の牌のようだ。さらにこれは呪文だという声もある。「こんな複雑な漢字を覚えられる中国人はすごい!」と敬服する人までいる。
これらの漢字は、繁体字で書かれ、元素の違いによって青赤黄緑の4種類の色に分かれている。学校で習う元素周期表と比べると、字体が違うだけで順番や種類は同じである。
「どこが難しいの?」・・・学校を卒業して10年になるある学生は、日本のネット上で周期表の漢字が話題になっていることに「なんで騒いでいるのは理由がわからない」と話す。その一方で「周期表の漢字の数が多く、しかも繁体字で書かれていたら、外国人にとっては難しい」という意見もあった。
1980年代の生まれの範花さんは、2年前までは九州に住んでいたが、今は妹とともに重慶で暮らしている。中国の元素周期表が、今日本のネットで話題になっていることを聞いて「私は高等中学(高校)時代に暗記しました。ただ日本ではカタカナで表記されるので、覚えるのにとても苦労しました」と話す。
「日本人に中国語の漢字はとても複雑に見えるようです。たしかに氦(ヘリウム)という比較的な簡単な文字を見ても、象形文字ではなく画数も10画あります。“镍(ニッケル)”や“镧(ランタン)”という文字なら覚えるのに一苦労かもしれませんね」
カナダから来たある大学院生は「周期表の漢字を覚えるのに特殊な能力はいらないと思います。時間をかければ自然と覚えられるでしょう。ただ英語表記は多くの場合、短縮形で表記されるので中国語より簡単です。やはり中国語を母国語としない人にとっては、結構難しいかもしれません」と話してくれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月3日