日本の「無縁社会」、現代化の真の意義とは?

日本の「無縁社会」、現代化の真の意義とは?。 日本語の「無縁」とは、人と人の交流がない冷たい関係のことを指す。無縁社会により高齢者も助けを得られなくなり、「無縁死」する可能性もある…

タグ: 無縁死,日本,高齢者

発信時間: 2015-04-03 11:09:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

『無縁社会』(NHK取材班)がこのほど広く注目を集めている。日本語の「無縁」とは、人と人の交流がない冷たい関係のことを指す。無縁社会により高齢者も助けを得られなくなり、「無縁死」する可能性もある。

本書によると、日本では毎年約3万2000人が「無縁死」している。これらの人々は一般人と同じような生活をしていたが、年老いてからは社会から離れていき、最終的に孤独死した。東京都大田区で無縁死した大森さんは若い頃、理想を抱き秋田県から上京し、食堂で定年退職まで真面目に勤務した。大森さんは結婚し子供もいたが、偶然にも借金返済のため家を差し押さえられ、離婚と独り身の生活を余儀なくされた。大森さんは年を取ってからは自宅で寝たきりになり、誰からも面倒を見てもらうことなく、「無縁死者」になった。地方政府は毎日「無縁死者」の通知を出し、火葬後の遺骨を取りに来るよう求めている。短い数行の通知で人の一生がおしまいになったかのようで、あっけなく物寂しさを感じるが、どうすることもできない。

日本の専門家によると、無縁死者の増加の原因は、現代の生活方式と社会環境の変化と密接に関連している。一部の人は失業により家庭を失い、頼れる者を失っている。また一部のエリートは仕事重視で家庭を蔑ろにし、離婚を迫られている。また若い頃に結婚する暇もないほど働いた人や独身主義者は、晩年に孤独になりやりきれない思いを抱いている。現代社会では人と人のつながりが弱くなり、職場での付き合いも退職後に失われる。かつての家族とは離婚後に会うこともなくなり、血縁関係があっても交流が長期的に途絶えていることであたかも赤の他人になっている。無縁社会は紛れもない事実である。国立社会保障・人口問題研究所は、日本の単身世帯は2035年に37.2%に拡大し、核家族に変わり主流になると予想している。

日本社会はかつて儒家思想の影響を受け、義理人情が文化の一部になっている。しかしこのアジアで最も早く現代化を実現した国は、伝統的な世帯構造と日増しに薄れる人情による苦境を迎え、無縁社会に変化している。日本政府はこの現状を変えようと試みたことがあるが、その取り組みは効果がなかった。2014年の衆院選で、高齢者福祉を始めとする社会問題が議論の焦点になった。毎日新聞は、大都市がアベノミクスで潤った裏側では、超高齢化、無縁社会といった問題が蔓延していると論じた。

作家の雨宮処凛氏は、第一次安倍政権の発足から8年で、ワーキングプア、ネットカフェ難民、無縁社会、老後破産といった社会問題が日増しに深刻化したと指摘した。現代社会は多くの富を築き、新たな理念を生み、人々の暮らしを変えたが、高齢者福祉や年金という基本的な問題を解決していない。日本では低出生率と高齢化が深刻で、人と人のつながりが弱く、功利的になっている。我々は確かに、経済発展と現代化の真の意義を見直す必要がある。

 

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月3日

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