ドイツ連邦航空局は9日、ジャーマンウイングスの自殺を図ったルビッツ副操縦士飛行訓練の期間中に、雇用主のルフトハンザに自身の病状について説明していたと発表した。ルフトハンザは免許を与える際に、連邦航空局に副操縦士に関する資料を提供していなかったが、これは規定に反する行為ではないという。
ジャーマンウイングスのエアバス機墜落事件の発生後、ドイツメディアは副操縦士が精神疾患をルフトハンザに伝えていたか、ルフトハンザが問題を把握しながら報告していなかったかなどを巡り調査を行っていた。調査結果によると、副操縦士は2009年に精神疾患により、操縦士の訓練を半年中断していた。副操縦士は当時、操縦士養成学校に対して自身の病状について、「重度のうつ病にかかっていたがすでに完治した」と報告した。
ドイツ検察当局は事故後、副操縦士に当時、自殺傾向があったことを明らかにした。副操縦士はうつ病の治療後、ルフトハンザに報告をしており、操縦士の訓練を再開し、優れた成績で証書を取得した。しかしその記録には、「頻繁にメディカルチェックを行う必要がある」とされていた。
ルフトハンザのメディカルセンターは訓練終了後、副操縦士に操縦が可能であるとする証明書を発行した。また本社の監督機関にも報告したが、操縦士の免許を発行する連邦航空局にこの状況を報告していなかった。ルフトハンザは副操縦士に飛行許可を出す際に義務に違反し、連邦航空局に病歴を報告しなかったとされている。連邦航空局はこの「義務」を否定し、副操縦士の飛行許可の手続きは完全に正確であったと称した。
ルビッツ副操縦士は今年3月24日、ジャーマンウイングスの旅客機を操縦し、フランス南部のアルプス山脈に意図的に墜落させた。機内の150人は全員死亡。ルフトハンザは事故後、副操縦士の病状を知らず、毎年の操縦士の検査に合格していたと称した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年4月10日