自撮り棒は近年、観光客にとって不可欠のグッズとなっているが、実際には30年前に登場していた。コニカミノルタのカメラマンの上田宏氏は、「1980年代に自撮り棒の特許を出願していた」と話した。20日付英デイリー・テレグラフ紙が伝えた。
上田氏は妻と欧州を旅行した際に二人で記念写真を撮ろうとしたが、誰も手伝ってくれなかったという。彼らはフランスのルーブル美術館前で記念撮影をしようとしたが、手伝うと言った子供にカメラを盗まれてしまった。上田さんは考えぬいた末、三脚に伸縮可能な棒をねじで留めた。
上田氏はこれを「エキステンダー」と呼び、当時開発されたばかりの小型カメラ向けにデザインした。上田氏はカメラの前に反射鏡を付けることで、撮影者の姿が見えるようにした。上田氏は1983年にエキステンダーの特許を出願したが、注目されることはなかった。これは撮影されたカメラの画質が悪すぎたためだ。
上田氏の特許は2003年で特許切れとなり、自撮り棒の流行によって利益を得ることもなかった。カナダの発明家のウェイン・フロム氏は、2000年代前半に伸縮可能な自撮り棒「Quik Pod」を発明し、飛ぶように売れた。上田氏は、「私の発想は早すぎ、失敗は免れなかった。しかしこれは私の数多くの発明品の一つにすぎず、他にも300件以上の特許を取得している」と語った。
自撮り棒は今や大人気で、世界各地の人々がさまざまな場で自撮りしている。自撮り棒は多くの観光スポット、博物館、コンサート、競技場を脅かし、使用が禁じられている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月22日
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