なんともお粗末な“おもてなし”である。26日の日刊ゲンダイによると、日本に長年暮らしているジャーナリスト・莫邦富氏が、銀座にあるミシュラン寿司店の予約しようとしたところ、差別的な扱いを受けたという。
店側は「外国人は予約をしても来ないことがよくあるので、ホテルのコンシェルジェかカード会社を通じた予約に限定しています」と開き直っている。
莫邦富氏は27日「環球時報」の取材に対し、「日本で一流とされている店がこの有様では、日本の観光サービス業のレベルがまだまだ低いということである」と語った。
この外国人差別ともいえる対応したのは、銀座の「鮨 水谷」。カウンターは10席ほどで、ひとり最低でも2万円の高級店である。
今月8日、莫氏の秘書が電話で、5月12日に4人で予約したいと伝えたところ、「空いています」との返事だった。しかし(中国人の)名前を伝えると、「えっ、海外の人ですか」と聞かれ、日本に長く住んでいることを伝えても「日本人は一緒にいますか」「調整が必要です」という。仕方なく莫氏が電話を代わり、本人が30年日本に住んでいることや、今回招待する3人のうち1人は日本への留学経験があり、しかも日本の政界とも関係があることなど、本来店にいう必要のないことまで話した。しかしはっきりとした返事は返ってこなかった。
水谷は海外の客を接待する店だといわれている。店のある従業員はゲンダイの取材に対して「店の雰囲気作りのために、海外の客と日本人の客の割合を半々にしています。海外の客は予約しても来ないことがよくあるので、コンシェルジェかカード会社を通じた予約しか受けないことになっています」と答えた。
ゲンダイは記事の最後で「ケネディ米大使から予約電話があっても、コンシェルジェを通してというのだろうか?」と結んでいる。
莫氏はまた、「日本政府は2020年までに訪日外国人2500万人を目指しているが、日本のサービス業は観光業のニーズに追いついていない。(レベルの低い)ありふれた店が外国人を差別するのはわかるが、高級店でこのような態度はいただけない」「外国観光客のレベルが低かったり、日本のマナーを知らなかったとしても、それがサービス低下の理由にはならない」「外国観光客はこうした差別を受けても、なすすべがない。日本の観光当局は多言語のホットラインを設置して、彼らの苦情に対処すべきである」と語った。
莫氏はまたこれまで日本各地での観光アドバイザーの経験から「私自身、差別されたのは一度や二度ではない。外国人と日本人の扱いに差をつける店は少なくない。東京の5星レストランでも京都の有名なラーメン店でも、中国語を聞いた店員の態度が変わったことが何度かあった」という。「日刊ゲンダイ」が伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月28日