雨の多い東京、都市型水害が発生しない理由は?

雨の多い東京、都市型水害が発生しない理由は?。 中国の大都市は雨季を迎えると洪水に見舞われ、溺死者も出るほどだ…

タグ: 中国,大都市,水害,日本,東京

発信時間: 2015-08-06 13:46:48 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国の大都市は雨季を迎えると洪水に見舞われ、溺死者も出るほどだ。現代的な大都市はコンクリートのジャングルで、建築物が多く、地面が固められている。さらにヒートアイランド現象により、一部地域では豪雨が発生する。雨はほとんど地下に浸透せず、「都市型水害」が発生するのも珍しくはない。

日本は温帯・海洋性気候で、その降水量は世界平均の2倍弱に達し、雨の多い国となっている。特に夏は頻繁に台風に見舞われ、豪雨が降る。しかし東京という有名な国際都市で、筆者は道路が雨により沼になる光景を一度も目にしたことがなく、道路に水たまりができるのも珍しいほどだ。一部地域で局地的な「都市型水害」が発生したこともあるが、東京都のさまざまな対策によって、この問題はすでにほぼ解消されている。

東京二十三区は1994年、下水道(全長約1万6000キロ)普及率100%を実現した。これらの下水道の直径は25センチから8.5メートルと異なっている。この長い下水道は、道路上の雨水を迅速に移動させることができる。東京の清潔で整った道路も、下水道の力を十分に引き出している。道路が汚ければ、下水道はゴミや泥の詰まりを起こし、雨水を流さなくなるだろう。

地形的な問題により、下水道だけでは雨水を順調に移動させることができない。そこで東京都は、多くの排水ポンプ場を設置している。東京都内では、河川が縦横に交わっている。荒川や隅田川といった大きな河川のほか、小さな河川も排水溝として使用されている。これらの河川は、土地取得を目的とした埋め立てを免れている。コンクリートで護岸されており、排水に対して大きな力を発揮している。排水溝の他に、東京都に点在する湖沼、例えば不忍池、碑文谷池、洗足池なども、雨水を貯める天然のダムとしての力を持つ。

「雨が降れば洪水になり、降らなければ水不足になる」これは多くの大都市が抱える問題だ。効果的に雨水を利用できれば、洪水と水不足の問題を同時に解消できる。そのため日本の大都市は雨水を貯水し水資源とすることを非常に重視しており、「流されれば洪水、貯めれば資源」という強い意識を持っている。

「都心に小型ダムを」というスローガンに応じるようにして、東京都の1000以上の高層ビルが雨水を利用する設備を導入している。両国国技館の8400平方メートルの大屋根は、1000立方メートルの雨水を集めることができる。通常は水洗トイレに使い、夏は冷房設備に利用できる。冬の降雪時には、水を噴きかけることで屋根に積もった雪を溶かすことができる。これらの装置は雨の流出を減らし、都市の水災害の防止に貢献している。

ハードの整備のほか、日本の気象予報は詳細かつ正確で、市民が事前に災害に備え、洪水の影響から逃れるよう促している。気象庁は降水短時間予報と降水ナウキャストを実施している。短時間予報は30分毎に発表し、その後1時間の雨量を予報する。気象庁は2004年6月1日より、より迅速な降水ナウキャストを開始し、2011年3月1日より5分おきに降水状況を予報している。

中国国内で「都市型水害」が発生するたびに、市民から不満の声が漏れ、メディアも感慨にふける。しかし洪水が終わると、元の生活を取り戻す。李克強総理は、新型都市化の建設は「メンツ」を重視すると同時に「中身」を重視するべきだと指摘した。これは都市管理者が深く検討すべき問題だ。日本の大都市の洪水対策は、何も高度で計り知れないものではなく、やる気になるかならないかという問題だ。為政者が見栄えの良い外観ばかりにこだわるのではなく、都市の「体質」強化に注意できれば、「都市型水害」の予防は難しくない。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月6日

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