体奥動力(北京)体育傳播有限公司が25日、5年間で総額80億元という超高額で2016年から2020年までの中国スーパーリーグの放映権を取得したことが、業界内で大きな話題となっている。高すぎる、どうやって回収するのか、分配方法は?―などが論議の焦点となっている。しかし我々が注目すべきは、終盤戦に入ったスーパーリーグ(1部)や甲級リーグ(2部)で起きている大きな変化であろう。
今回の超高額な放映権は、すでに白熱している1部と2部との入れ替え競争や順位争いを、一段と激しくさせる可能性がある。中国のプロサッカーリーグは,これまでの低迷状態から大きく飛躍するチャンスを迎えたかもしれない。
ここ数年の政策的な後押しもあり、中国サッカーリーグが大きな盛り上がりを見せているものの、(有力選手獲得などに対する)投資は増える一方である。あるクラブは「2億元を投資しても今の順位を維持できない」と嘆く。その一方で、テレビ放映権は独占状態にあるため、クラブ収入は低いまま。その結果、多くのクラブは赤字が続き、大きなスポンサーがつかない限り、経営が維持できないでいる。
こうした状況の中、ここ数年リーグ戦の終了が近づくと、おかしな現象が起きる。あるクラブはスーパーリーグが維持できなくなりそうになると、2部リーグへの転落もよしとしているようだ。投資が少なくてすむからだ。一方で2部リーグの力のあるクラブにも同様の動きが見られる。1部への昇格が期待でき得るにもかかわらず、突然、「試合を消化するだけのプレー」になってしまう。「生き残ることが何より大事」なのが今の中国サッカーリーグの現状である。
しかし今回の超高額な放映権によって、クラブは大きな収入を得ることになる。このままいけば、今後は1年当たり平均で16億元という、かつて考えたこともない大金が入る。それまでスーパーリーグのクラブの収入といえば、その10分1にも過ぎなかったのである。仮に16億元を16チームに均等に配るとすると、1チームの収入は1億元だ。しかも今後は放映権以外にも、広告収入や賛助金の額も上がることが見込まれる。今後はスーパーリーグと2部リーグのブランドの差が大きく開くことは間違いなさそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月5日