中国人の海外旅行者数と購買額が3年連続で世界一を記録している。2014年の海外旅行者数は延べ1億900万人。購買額は前年比28%増の1648億ドルに達している。15年についても1億2000万人の出国者数と1940億ドルの支出を見込んでいる。元ベースでみると1兆元を超える計算となる。
チェコの首都プラハ。街にはプラダ、LV,エルメス、フェンディなどの有名ブランドの商品を買い求める中国人旅行者の姿が絶えない。南京から来た王さん(女性)はフェンディのバッグを2つ買うのに3万元を使ったが、「中国で買ったとしたら5万元以上はする」と教えてくれた。
中国人旅行客の購買力には驚くばかりである。日本の観光協会のまとめによると、国慶節の休暇中の訪日中国人の数は約40万人。購買額は53億元に達したという。
日本での買い物の対象はこれまでは高級品が多かったが、最近はフェイスマスクや歯磨きなどの日用品が主になっている。ある東京の免税店では、フェイスマスクのほか医薬品、ハンドクリーム、アイクリームなどが“売り切れ”状態となっており、店員が買い物制限をする姿も見られた。
スペインやオーストリアなどの欧州のスーパーでも同様である。ナイフ、フライ返し、洗濯剤、キッチンタオル、保存パック、子ども用品などが中国人旅行客が最初に買う品である。
「値段は国内品より高いが品質がよくて安心である。私は品質のほうが大事である」マドリッドのスーパーでナイフを購入していた、江蘇省から来たある旅行者はこう話す。
上海の銀行に勤務する王さん(女性)は、国慶節休暇に東京に行き、総額で4万元の買い物をしてきた。薬と家具用品以外は「炊飯器、便座などの定番商品でした」と話す。
こうした中国人の消費行動は、単に海外旅行時の買い物だけでなく、帰国後も「代理購入や海外ネット通販」を通じて、海外製品を長期的に買い続けるという行動へと変化している。
天津に住む庞さん(女性)は「オーストラリアに旅行に行ってからは、ずっと現地の栄養製品を取り寄せている。また最近は日本から帰ってきた友達が日本製品を薦めるので、彼女に頼んで洗濯剤や歯磨きを一緒に買ってもらっています。私の家にある日用品はほとんどが日本製です」と話す。
ある税関関係者によると「海外製品の代理購入には10%程度のマージンが必要だが、それでも国内価格の70~80%と安い。消費者にとって大きな魅力だ。代理購入はメーカーと仲介者と消費者が喜び、その分税関収入が減るということである」という。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月5日