
マラソン大会でスーツ姿の選手が走っているのを見るのは、なかなか面白いものである。そうした選手はなかなかレースの上位に入賞できないが、先日の久喜ハーフマラソンでは、公務員ランナーとして有名な川内優輝選手がスーツ姿によるハーフマラソン世界記録を更新した。ただ惜しむらくはその1時間6分42秒というタイムが公認記録にならなかったことである。
川内選手は今年29歳、体重約60キロ。公務員ランナーとして日本中に多くのファンを持っている。彼はマラソン選手としての成績が抜群にもかかわらず、スポンサーを持たず、毎週40時間の本業の仕事をきちんとこなしている。昨年は3回目となるニューヨークマラソンにも参加した。彼はこれまで10位内に入ったことがなく、今回はそれを突破することを目標にしていた。結果は第6位。トップとの差はわずか3分であった。
過去におけるスーツ姿のハーフマラソンの世界記録は1時間24分41秒。カナダのあるアパレル会社のCEOニコラス・ミゼラ氏が昨年12月に作ったものである。川内選手は今回その記録を17分59秒短縮した。
しかし残念なことに久喜ハーフマラソンは公認レースではなかったため、川内選手の記録はギネスには認定されなかった。彼はレース後のインタビューで「ギネスには載せてもらえないけれど、この記録を出せたことがとてもうれしい。スーツを着ていて汗だくだけど沿道の人も大変喜んでくれた」と喜びを語った。
川内選手はこのハーフマラソンに参加する6日前、琵琶湖のフルマラソンに参加し7位に入賞。タイムは2時間11分53秒であった。

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