少子高齢化で日本国内のコメ需要が減る中、中国へのコメ輸出が今年度から本格化する。12日付けの日本経済新聞によると、従来、中国への輸出は全農に限られていたが、今夏から、木徳神糧、北海道ホクレン農業協同組合連合会、神明ホールディング、千田みずほ、ショクレン北海道の大手コメ卸業者が輸出を大連に向けて開始する。
農林水産省によると、中国政府が検疫上、輸入を許可しているのは神奈川県のあるコメの加工業者のみ。このため上記の5社は同加工業者を通じてコメを輸出する。
環球時報の日本駐在記者によると、日本政府が「農産物輸出拡大計画」を制定しているのはコメなどの農産物を世界市場に販売するためとされる。かつて日本はコメの対米輸出に力を入れたが、販売が思うように伸びず、現在その矛先を中国などのアジアの大きな市場に向けている。
中国税関の統計によると、2015年の中国のコメの輸入量は335万トン。その半分以上がベトナムからで、「タイとパキスタンが各20%を占める。日本の対中輸出はわずか600トンにも達していない。
しかし価格が高く、なかなか手に入らない日本のコメは中国の大都市で大きな人気だ。日経新聞は、消費能力が高まった中国人の「安全でおいしいコメに対するニーズは極めて強い」と伝える。
2011年、福島原発の放射能漏れ事故が起き、日本の中心的な農業産地である福島、宮城、岩手の3県はいずれも重大な放射能の被害を受けた。このため日本人はこれらの地域から農産物を買わなくなり、中国やタイ、ベトナムなどの国から野菜や食糧を輸入するようになった。また原発事故以降、日本からのコメの輸入を停止して中国は、2012年4月に輸入を再開している。ただ許可されたのは限定された企業の生産したコメだけである。
一方で、日本のコメが中国国産のコメに比べて栄養が豊富であるかという問題に関して、黒龍江農業科学院水稲研究所の閏平研究員は「コメは普通の主食類に過ぎない。栄養成分からいうと国内と日本のコメに何も違いがない。でんぷんとたんぱく質、アミノ酸などにすぎない」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月14日