日本のソフトバンクグループと英半導体設計ARMホールディングスは、約320億ドルの買収案に合意した。これはソフトバンクの史上最大規模の買収だ。
ソフトバンクの創業者である孫正義CEOは18日、ソフトバンクはARMを敬慕していたと述べた。この買収は、英国とARMの本社ケンブリッジの科学技術力に対するソフトバンクの信頼を示している。
英国のフィリップ・ハモンド新財相はこの買収を賞賛し、「アジアにとって史上最大の対英投資になる」と述べた。
双方の合意内容によると、ソフトバンクはARM株1株当たりに現金17ポンドを支払い、現金のみで買収する。
ソフトバンクは取引終了後、この成長が期待されている半導体設計大手を掌握し、スマートフォンなどのデバイスの利益を手にすることになる。アップル、サムスン、クアルコムの製品はARMの半導体設計を使用する際に、特許権使用料を支払わなければならない。
【借金で買収】
この買収を完了するならば、ソフトバンクの巨額の負債がさらに膨らむことになる。
ブルームバーグのデータによると、ソフトバンクの負債総額は今年3月末時点で1060億ドル弱にのぼり、うち有価証券は230億ドル未満。
しかし専門家は「ARMの業界トップの地位を持続的な資金フローに変えることを考えると、買収は割に合う。ARMはハード生産のビジネスモデルを採用せず、2014年末からすべての四半期で大きな収益を手にしている」と指摘した。
ARMのビジネスモデルは、リスクと利益の分担を基礎としている。取引先がスマートフォンなどのデバイスを売れば売るほど、ARMの利益が膨らむ。これはアップルやサムスンなどのブランドが、このような無味乾燥な仕事ではなく、より高水準のイノベーションに専念できることを意味する。
ソフトバンクはこれまでも、その他の措置により流動性を確保してきた。ソフトバンクは5月31日、アリババ・グループの価値にして79億ドル以上の株を手放すと発表していた。ソフトバンクは当時、これにより持ち株比率を28%まで引き下げ、流動性を高めると説明した。これはソフトバンクの「モデルチェンジ戦略」の一環だという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月19日