米World Journalはこのほど、「国際観光業は2150億ドルという大金にどう回答すべきか:中国人観光客は何を求めているのか」と題する記事を掲載した。
この大金は昨年の中国人の海外での消費額である。世界一の金額である。中国人の所得が増大するにつれ、海外旅行ニーズが急速に高まっている。これに対応し、世界の観光会社は中国人観光客向けの投資を拡大し、中でもクルーズ産業に力を入れている。
中国香港CLSA社の調べによると、2014年の中国人のクルーズ船乗客数は2012年の3倍を超え、69万7000人に達した。現時点の同市場規模としては世界7位だが、このまま推移すれば、近い将来、中国が世界一になる可能性があるという。
業界大手の米ロイヤル・カリビアン・クルーズのマイケル・ベイリーCEOは「消費者の構成が大きく変化しており、とりわけアジアからの観光客数が急速に増えている」と指摘する。
5000人の乗船が可能な同社最新鋭のクルーズ船「オベーション・オブ・ザ・シーズ」がまもなく完成し中国に送られる予定となっており、これにより、中国での旅客輸送能力は4割以上高まる見通しとなっている。
業界最大手の米カーニバルは、現在中国に客船6隻を配置。来年に3隻増やし、その後20年までさらに2隻増やす予定という。世界3番手の米ノルウェージャン・クルーズ・ラインも来年中に中国市場に参入する。
これらの会社は中国人観光客を引き寄せるために、さなざまな工夫に取り組んでいる。ショッピングやカジノの施設のほか、中国人の好みに合わせたレストランもオープンさせている。カリビアン・クルーズでは米国のハンバーガー・ショップを、映画「カンフー・パンダ」をテーマにした麺レストランに改装した。
CLSAによると、中国の旅行者でクルーズの経験があるのはわずか15%。クルーズ市場の成長はまだ始まったばかりという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月23日