東京大は20日、6つの同大学研究室の22の論文に不正の疑いが指摘されている問題で、本格的な調査を始めると発表した。共同通信社の報道によると、今年8月中旬から下旬にかけて、同大学などに匿名の告発が寄せられていた。不正が疑われているのは、医学系と生命科学系。これまで有力科学誌の英ネイチャーなどに掲載された論文にねつ造や改ざんの疑いがもたれている。
東大はこれまで予備調査を進めてきたが、告発内容に一定の具体性があるとして本格調査に始めることを決めた。
調査対象となっている6人の教授の中には、前東大病院長の門脇孝教授も含まれる。同研究室は取材に対し「広報を通してほしい」と回答。東大広報は「(調査対象者の)名前は公表できない」と話している。
東大は「本格調査の実施は、疑われている教授の不正行為を認めたことを意味するもののではない」と強調。今後30日以内に調査委員会を設置し、150日以内に調査結果を出すとしている。調査委員会は外部識者などから構成される。調査では、研究室メンバーの事情聴取のほか、実験時の記録なども調べ、必要に応じて再び実験を行うとしている。予定では半年以内に不正行為の有無が判定され、結果が公表される見通し。
報道によると、不正が疑われている論文は生活習慣病や心臓病などに関する、全部で22の論文。匿名の告発は図やグラフに合成や改ざんがあると指摘していた。
最近日本の学術界では不正事件が相次いでいる。2013年には、加藤茂明東大教授が発表した40余りの論文から不正が見つかった。また同年、理化学研究所の小保方研究員が発見したとされるSTAP細胞に関する論文にもねつ造と改ざんがあったことが判明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月22日