周牧之教授は、「指標は中国政府が主導する『国家新型都市化計画』で謳われた都市化計画に“生態文明”のコンセプトを全面導入する理念に基づき、全方位的に“環境”の観点から都市を評価した。指標がこれから中国の都市発展に先進的な理念を浸透させる役割を担うことを目指している」と述べている。
「中国都市総合発展指標」の作成には指標設定、データ採取、分析評価の面で、先進的なコンセプトを用いて、先端技術を採用し、斬新な手法で取り組んだ。
指標設定では、社会、経済、環境という3つの大きな軸(大項目)の各々に3つの中項目を置き、次いで其々の中項目の下に3つの小項目を定めた。さらに27の小項目を、133の詳細な指標の評価で形作った。全体的に見ると3×3×3のシンプルなピラミッド構造になっている。明快な3×3×3構造を通して、複雑な都市状況を立体的、定量的、可視的に分析している。
データ採取では、各都市の政府統計データやビッグデータ、衛星リモートセンシングデータを最大限に利用し、全国の地級市以上のすべての都市をカバーしている。
評価方法には、「偏差値」の概念を採用することで、大量で複雑な採取データを比較可能な指標データに変換し、各階層の指標を評価している。その結果、正確かつ多面的に都市の発展状況を解析している。
「中国都市総合発展指標」は今後、毎年発表していく予定だ。周牧之教授は、今後の中国の都市は、集約化、流動化、市民化、持続可能な発展をしていかなければならない、とした上で、「この都市化指標は、マクロ的には都市化政策のツールとして、ミクロ的には都市計画の指針として、また政策と計画の評価ツールとして活用してほしい」と言及。「この指標が、『新型都市化』の質量向上の足がかりになるよう、今後続けて都市評価の方法に更なる改善を重ねていきたい」と力説した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月29日