米メディア:中国古代思想「無為」の力

米メディア:中国古代思想「無為」の力。

タグ: 無為

発信時間: 2017-01-07 09:48:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

多くの人にとって新年の目標は、ダイエットやパートナー探し、新しい街への移住など、行動に重きを置いたものだろう。だが私が一番大切にしたいのは、静かに動かないことだ。私がそんな境地に至ったのは、中国の「無為」思想のおかげと言える。(米ビジネスメディア『Quartz』1日付け記事)

「無為」の由来となった『道徳経』は、「為無為,則無不治」(無為を為せば、治まらざるなし)と説く。その意味は、無理矢理何かをしようとするのをやめ、あまり行動しないことに満足することを覚えようということだ。いったん行動に出れば、その行動は自然で、エネルギーに満ち、願った成果も得ることができる。『道徳経』は、自然を観察することを通じて「無為」の心を育てるよう提唱している。空はいつも雷雨に覆われているわけではないし、鳥たちはいつも翼を広げているわけでもない。「静」であることは、私たちが必要な時に「動」となることを助けてくれる。荘子は、「虚則静,静則動,動則得矣」(虚なれば則ち静、静なれば則ち動、動なれば則ち得)と説く。「無為」は、戦略指導において影響力を持つ『孫子兵法』の重要な原則でもある。

英語には、「無為」に正確にあてはまる語はない。哲学者のアラン・ワッツは、幸福に生きることを学ぶのに「無為」は核心的な理念だが、米国人がそれを理解するのは難しいと考えた。「行動」を向かうべき方向とする文化において、「無為」を強調するのは間が抜けているようにも聞こえる。何もしなかったおかげで100万ドル稼いだという人がいるだろうか。

私もかつては、「無為」を同じような理由で拒んでいた。じっと待ち続けることは一種の美徳だが、自分には合わないと考えていた。だがここ数年、いつも忙しく頑張るという人生の態度が自分にほとんど何ももたらさなかったことに気付き始めた。「無為」が私たちに教えているのは、風に乗って勢いよく進むのをやめ、待ち、じっと見つめることを覚えれば、外部の力をよりはっきりと認識し、より賢い决定ができるということだ。忙しく行動している時には、いつでもつまずく可能性がある。理性によって决定しているのではなく、感情とエゴによって決定しているためだ。

私も今は、私の能力が、すべての生き物と同じように限界を持つことを知った。「無為」によって私たちは、いつか本当に必要な時のために力を育むことができる。「無為」は諦めでも、怠惰でもなく、自らを守るという重要な技術だ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年1月7日

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