中国の春節(旧正月)は通常、1月から2月にかけての時期となる。この期間は欧州の観光業の伝統的なオフシーズン(11月から翌年3月まで)だが、多くの中国人客により新たなピークシーズンとなっている。
フランス文華旅行社の李暁彤会長は「春節はフランス旅行のシーズンになった。同期にフランスを訪問する中国人客数は、平時を約2割上回る」と話した。
BBC中国語サイトは、市場調査会社「ForwardKeys」のデータを引用し、今年の春節中の中国発英国着の航空券の予約が、前年同期比88%増になったと伝えた。
英国最大の銀行カード決済サービス業者「WorldPay」は、春節の長期連休中、中国人客の消費額はロンドンだけでも1100万ポンドにのぼる見通しとした。
しかし消費にせよ観光にせよ、中国人客の海外旅行目的地に対する需要に変化が生じている。
チャイナ・トラベル・アウトバウンド社のヘレナ・ビアード社長は、英ガーディアン紙に対して「中国の若い中産階級は英語ができ、親の世代よりも冒険精神に富む。これらの若者は買い物を好むが、良いレストランや観光スポットを熱心に探す」と指摘した。
陳さん(女性)は仏百貨店・ラファイエットのモンクレール取扱店で、家族のためにコートを選んでいた。「旅行前に予習をしておいた。このブランドは高額だが質がよく、ちょうどセール期間中で税還付も受けられる。家族に春節のプレゼントとすれば実用的で、高級ブランドのバッグよりも適切だ」
陳さんの選択は、中国人客の近年の、フランスでの消費の変化を反映している。フランス旅行が大衆化するに伴い、観光客の消費も高級ブランドばかりでなく、大衆ブランドに広がっている。フランス製の薬品や化粧品のような、コストパフォーマンスの高い商品の人気が上がっている。
中国の「春節客」のフランス旅行は、より個性的な内容になっている。観光地とショッピングの他に、一部の観光客はスキー、博物館の見学、スポーツ観戦、撮影などを試している。
米フォーブス誌によると、中国人客に人気の欧州旅行目的地にはスペインがあり、春節中の旅行予約件数の伸び率が最も高い国(89%)になった。2位は英国(88%)、3位はイタリア(59%)。フランスではテロ事件が多発しているが、依然として多くの中国人客を集めている。今年の春節中のフランス旅行の予約件数が、49%増加したと分析されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月5日