中国で自転車シェアリングサービスが急成長している。多くの企業がスマホ決済システムを導入しており、消費者は安くサービスを利用できるようになった。中国はかつて、自転車王国と呼ばれた。便利な外出手段として、自転車が再び巻き返しを図ろうとしている。日本メディアが伝えた。
平日の午前9時、北京市の中心地である建国門地下鉄の出口付近で、記者は多くの人が自転車をシェアしているのを目にした。毎日自転車をシェアしているという会社員は「いつでも乗れる自転車が見つかり便利で、使い終わった後もどこに停めるか心配する必要はない」と満足そうに話す。
この「摩拝単車」と呼ばれるアプリは、スマホがあれば利用できる。利用者はまずアプリをダウンロードし個人情報を登録し、微信(中国版LINE)の財布機能によりデポジット299元を支払うことで、準備が整う。アプリの地図機能により、自転車を使用できる位置が表示される。スマホを使い自転車の二次元コードをスキャンすれば、自動的にロックが解除される。完全なセルフサービスにより、利用者は道路で見つけた自転車に乗ることができる。
記者は道路ですぐにシェア用の自転車を見つけた。オレンジとシルバーのボディが目立ち、ペダルをこぎ軽々と乗ることができる。乗り終わった後は路傍に停め、ロックをかける。携帯電話は自動的に利用料金を表示する。費用は30分で1元。自転車の正確な位置を把握できる測位システムが導入されており、停車し決済した後、直ちに別の人が利用できる。自分の自転車ではないので、盗難を心配する必要はない。
摩拝単車は2015年創業で、上海市や北京市などで約10万台を展開している。中国メディアの報道によると、自転車シェアリングを手がける企業は17社に達しており、利用できる自転車の数は約28万8000台に達している。
かつて中国の道路は自転車の大軍により占拠されていた。しかし改革開放により、主な外出手段は自転車から自動車に変わった。今や中国の新車販売台数は通年で2800万台に達する。しかし近年、自動車の販売が伸び悩んでおり、排気ガスによる大気汚染が深刻化している。これは自転車が再び注目を集めている理由だ。
自転車を含むシェアリング経済の未来について、同済大学持続可能な発展・管理研究所の諸大建所長はインタビューに応じた際に、「シェアリング経済が発展し、効率が大幅に高まっている。持つのではなく、用いる時代だ。この市場は今後10年間に渡り、非常に高い成長率を記録するだろう」と予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月13日