東京電力は16日、福島原発の原子炉格納容器内を調査するために投入した自走式のサソリ型ロボットが、目標の現場に到達できず、任務を中断したと発表した。
2011年2月11日に、東北地方の沿岸部で大津波が発生し、1万8000人以上の死者と行方不明者を出した。さらに福島原発で炉心溶融が3回発生し、1986年のチェルノブイリ事故後で最も深刻な放射能漏れ事故となった。
福島原発を運営する東電は最近、遠隔操作可能なサソリ型ロボットを2号機の原子炉格納容器に投入した。ここの放射線量は先週、過去最高の毎時650シーベルトを記録していた。
デイリー・メール紙によると、このロボットは東芝製で、全長約60センチ。カメラ2台とセンサーを内蔵し、放射線量と温度を測定する。1000シーベルトにも耐えられるというサソリ型ロボットの今回の任務は、現場の映像を撮影し、格納容器内の放射線量と温度を測定することだった。高い放射線量、複雑な地形という2つの課題があった。
東電の広報担当者は、原子炉直下の作業用足場という、目標地点にたどり着くのは困難と述べた。「立ち往生の原因が放射線か障害物か不明だ。当社は現在、撮影した映像など、データを確認中だ」
米国電気電子学会(IEEE)が発行する雑誌の公式サイトによると、元米海軍原子炉事業者、米原子力学会顧問は「原子炉と格納容器の核燃料の除去作業を始めるまで、現在の方法と計画だけでは、長い時間が必要になる」と指摘した。
日本政府は昨年12月、今後数十年に渡り高い放射線量が続くことから、補償と除染作業による1890億ドルの支出を見込んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月18日