「親のすねかじり」といえば、学校を卒業したばかりの人や生活力のない若者を思いつくが、日本には最近、「すねかじり中年族」と呼ばれる人たちがいる。これは日本の高齢化の深刻さを反映している。彼らの存在は日本の限られた財政を圧迫し、日本の発展を妨げている。
日本の国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、2015年の日本の50歳以上の未婚男性は23.37%、女性は14.06%で、前年より増加し、過去最高水準に達した。彼らの多くは自立できずに親と暮らし、親の年金に頼って生活している。日本の総務省・統計研修所の統計によると、2016年、親と同居している158万人のうち、親に養ってもらっている人は約31万人いる。バブル経済の頃、親と同居している人はわずか18万人だった。
これには大きな問題が存在する。「すねかじり中年族」の親は高齢で、亡くなった後は親の預金で生活し、その後は社会福祉助成金に頼って生活する。これは日本社会の新たな危機になる可能性がある。
中央大学の山田昌弘教授はイギリスのロイター通信のインタビューで、「すねかじり中年族の増加により社会福祉は財政難になり、貧しくなり、社会の不安定にも繋がる」と話した。山田教授は1997年に出版した書作『パラサイト・シングルの時代 』で、卒業後も親と同居し、好き勝手にお金を使う若い会社員を「独身貴族」と表現し、社会的な話題になった。山田教授は、1990年代は20代だった彼らの3分の1が50代になった今も独身だと指摘した。
バブル崩壊により、多くの日本企業は労働改革に着手し、契約社員の採用を増やした。契約社員は正社員と異なり、収入が少なく、終身雇用でもない。そのため、結婚して家族を養う能力のない人たちが多く、現在の「すねかじり中年族」という人たちが生まれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月24日