今年上半期に建設が批准された英国の新高速鉄道「HS2」は、第一段階でロンドンとバーミンガムを結び、その後さらに中部のマンチェスターをバーミンガムを結ぶ。しかしHS2の総工費は予算を大きく上回っている。香港・東網が16日、英サンデー・タイムズ紙の記事を引用し伝えた。
英国政府が専門家に作成を委託した評価報告書によると、HS2プロジェクトの線路約1キロにかかる工費は3億ポンド弱で、世界最高額の鉄道になる。貴重で整備にも高いコストがかかるが、大きな経済効果を生み難いプロジェクトになりそうだ。
英運輸省は以前、イギリス国鉄のプロジェクト工費計算基準を定めたMichael Byng氏に、HS2の工費の計算を求めた。同氏によると、HS2の第一段階(ロンドン〜バーミンガムの192キロの区間)の工費は480億ポンドにのぼるが、政府側は243億ポンドのみとしている。HS2プロジェクト全体(マンチェスター〜バーミンガムの区間を含む348キロ)の総工費は1040億ポンドになる。
特に指摘しておくべきことは、ロンドンのユーストン駅からオールド・オーク・コモン駅までのわずか10.6キロの区間だけでも、82億5000万ポンドの工費がかかることだ。これは1キロで平均7億7800万ポンドかかることを意味する。この費用にはユーストンの再開発及び自動車用トンネルの建設が含まれ、鉄道全体の1キロ当たりの工費がさらに膨らむ。一方で2015年のデータによると、中国の高速鉄道の1キロ当たりの工費は約1500万ポンドだ。同氏は、政府側の信憑性のない見積もりを懸念していると表明した。
しかしHS2側は同氏のデータを認めず、期限通りに竣工させ予算を上回ることもないとしている。英運輸省は、高速鉄道の工費を厳しく管理しており、進捗と予算は予想通りとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月17日