スーパーで売られている「イタリアン・ケチャップ」に使用されているトマトは全て中国産であることを知っているだろうか。
ドイツの「ドイチェ・ヴェレ」ウェブ版が1月7日に伝えたところによると、中国は世界最大の果物・野菜生産国になり、海外市場でのシェアを拡大し、欧州市場で供給される食品に多くの中国産の原料が使用されているが、メーカーはこれらの原料の生産地を明記していない。オーストリアのテレビ局はドキュメンタリー『中国から来たイタリアン・ケチャップ』を放送し、中国産トマトがどのように世界進出したかを伝えた。
中国はイタリア最大の農産物供給国で、世界のケチャップの多くが実際はイタリア産のトマトではなく中国産を使用しているが、そのことを知る人は少ない。現行の規定に基づけば、食材が欧州で加工処理された場合、原材料の生産地を明記する必要はない。
中国料理にケチャップを使用することは少ないため、中国産のケチャップの多くが欧州やアフリカに輸出される。ユニリバーやネスレなどの西側の大手食品メーカーは中国からトマトを買い付け、ケチャップなどに加工している。メーカーにとって、中国は世界2位のトマト生産国で、人件費が安く、トマト製品の価格を低く抑えられるため、最高のビジネスである。
イタリアの伝統技術のおかげで、中国は世界最大のトマト輸出国になった。中国の昌吉港からだけで、イタリアを含む世界に濃縮トマトペーストが年間100万トン以上輸出される。これらの濃縮トマトペーストはイタリアに到着後、水と合わせて食塩などの調味料を加え、有名なケチャップになりアフリカ、中東、欧州などに輸出される。多くの人はイタリアのケチャップはイタリア産のトマトで作られていると思っているが、実はパッケージがイタリアのものであるだけで、商品そのものはイタリア産ではない。
トマト加工業に携わる中国人企業家の李さんはオーストリアの記者に対し、「イタリアの専門技術を使用している。イタリア人はどのように効率を上げるかだけでなく、管理に関する知識も多く教えてくれた」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月13日