世界の貧富の差が拡大し続けている。スイス放送協会(SRF)は22日、イギリスのオックスファムが発表した最新報告を引用し、2017年に世界で創出された資産の82%が1%の最富裕層に流れ、最も貧しい人たちの資産は増加していないと伝えた。
「富裕者への謝礼ではなく、労働者へのリターンを望む」と題したこの報告は、クレディ・スイス銀行のグローバル・ウェルス・ レポート、フォーブスの長者番付をもとにまとめたもの。報告によると、2017年の億万長者の資産増加額は最大7620億ドルに達し、資産が10億ドルを超える富裕者は2043人に増加し、過去最多の増加幅となった。
また報告によると、世界の最富裕層の42人が資産を握り、その規模は最も貧しい37億人の資産の合計に相当する。10人の億万長者のうち9人が男性。女性従業員は長期的に所得が男性より少なく、仕事の保障もない。さらに報告は、富裕層の資産蓄積手段を疑問視し、貧富の差の拡大は脱税、企業の政策への影響、従業員の権利縮小、コスト削減などが原因だとした。最富裕層の脱税額は年間約2000億ドルで、普通の従業員の利益を代償とすることが多い。オックスファムの執行役員のビヤニマ氏は、「億万長者ブームは経済の発達の兆しではなく、経済体制の効力消滅の兆候だ」と話す。
オックスファムは各国政府に富裕層の徴税を引き上げ、企業管理者の収入を制限するよう提案し、「脱税天国」を共同で取締、資産を平等にすべきだと呼びかけた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月28日