中国ではシェア自転車が普及し、生活の利便性がよりアップしている。そんな中、傘やスマホの充電器などのシェアも現在にわかに増えている。取材では、1日単位でぜいたく品をシェア・レンタルすることのできるプラットフォームも最近登場していることが分かった。では、同市場はどのような現状で、この先の見通しはどのようなものなのだろう? 揚子晩報が報じた。
ぜいたく品シェアのユーザーが多いのは北京・上海・広州
公開されている資料によると、過去一年、「包租婆」、「百格」、「星洞」などの「ぜいたく品シェア」プラットフォームが相次いで融資を得た。最近では、人気女優・章子怡(チャン・ツィイー)もそのうちの1社に投資を行った。
スマホのアプリダウンロードサービスで、「ぜいたく品シェア」と検索すると、たくさんのアプリがヒットした。それらアプリの情報を見ると、ほとんどが北京の企業が開発しており、上海や杭州などの都市で開発されたアプリもあった。
いくつかのアプリをダウンロードしてみると、登録(一部のアプリは実名認証が必要)を済ませて、デポジット、料金を払えばレンタルすることでき、操作はとても簡単だった。プラットフォーム上の商品の多くは「ほぼ新品」、または「非常に良い」ランクだ。あるプラットフォームの商品は、「ぜいたく品」と「プチぜいたく品」の2種類があり、「ぜいたく品」のレンタル料は1日25-50元(410-820円)「プチぜいたく品」は1-25元(410円以下)で、7日間からレンタルが可能だ。レンタル料は安いものの、比較的高額のデポジットを払わなければならない。デポジットは商品価値によって決まる。例えば、「プチぜいたく品」は1000-5000元(約1万6000-8万円)、「ぜいたく品」は6000-12000元(約9万8000-19万6000円)だ。
ぜいたく品レンタルのユーザーは、北京・上海・広州など経済が発展している地域に集中している。商品は主に各プラットフォームが提供し、わずかながら、プラットフォームが買い取った中古のぜいたく品もある。ユーザーはぜいたく品をまず送り、審査したうえで基準をクリアしていない場合は買い取ってもらえない。
一部のユーザーの「衛生的か?」という質問に、あるプラットフォームのカスタマーサービスは「貸し出したカバンは返却後、クリーニング、メンテナンスをしてからまた貸し出す」と説明する。
ぜいたく品シェアは細分化された市場の一部
カナダで約10年暮らしたある女性は取材に対して、「ぜいたく品シェアというのは聞いたこともないし、利用したくもない。買う能力があるならレンタルする必要はない。買う能力がないなら使う必要もない」と話し、「プラットフォームの規範性や衛生的かなども心配」とした。
スペインに4年留学していた南京の女性・解さんは取材に対して、「スペインでもぜいたく品のレンタルはあまり普及していない。パーティーの時に、一部の人がカバンやアクセサリーなどのぜいたく品をレンタルしているだけ」と話した。
Eコマース研究センター生活サービスEコマースの陳礼騰さんは取材に対して、「消費が高度化しているのを背景に、消費に対する観念も変化している。ぜいたく品シェアは細分化されたシェアエコノミーの一部となっている。ぜいたく品シェアは必要であっても、高いお金は出したくないという消費者の需要(主に精神的な需要)を満たしている」と説明する。
そして、「ぜいたく品はコストが高く、破損鑑定や責任追及などの面でトラブルが多い。その他、消費者はサービスが行き届いていない、顧客体験が悪いなどと感じる可能性がある」と指摘している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2018年7月21日