大学の専攻科目の新設・取り消し申請が現在、公示の段階に入っている。中国教育部が公示したリストを見ると、昨年よりブームになっている「データ科学・ビッグデータ技術」は今年も勢いを維持し、全国の大学が最も多く新設を申請している専攻だ。また国家重点発展産業となっているAIも、それに次ぐ人気専攻となっている。これらの新設される専攻が集中しているのと異なり、取り消される専攻は分散しており、さまざまな内容が含まれる。
専攻の新設 ビッグデータがトップ、AIが活況
中国教育部は2012年に「普通大学本科専攻リスト(2012年)」「普通大学本科専攻設置管理規定」を制定し、専攻の配置と調整について記録もしくは審査・批准制度を実施すると規定した。大学が自主設置するのが「専攻リスト」内の専攻であれば、中国教育部に報告し記録されれば良い。「専攻リスト」にない専攻を新設する場合は、中国教育部の審査・批准を受けなければならない。記録と審査・批准は毎年1回行われる。
中国教育部が今年公示したリストを見ると、全国の大学が今年新設を申請した専攻は2542にのぼる。北京青年報の一部統計データによると、今年「データ科学・ビッグデータ技術」の新設を申請した大学は全国220校以上にのぼり、その他の専攻を大きく上回っている。この傾向は昨年の申請でも明らかになっていた。昨年は250校が申請を出した。
中国工業・情報化部は昨年末に「次世代AI産業発展促進3カ年行動計画(2018−20年)」を発表した。中国教育部も今年の専攻新設審査・批准・記録活動通知の中で、大学は国家戦略と地域経済・社会の発展の需要に自ら貢献しなければならないと強調した。農村振興、健康中国、AI、ネットワークセキュリティ、少数言語などの関連専攻を新設するよう求めた。
この状況下、今年「ロボット工学」「スマート科学・技術」の新設を申請した大学は100校以上にのぼった。「スマート製造プロジェクト」「AI」の申請も多い。記者の調べによると、北京市の大学は専攻新設を申請する主体ではないが、これらの専攻の新設申請は少なくない。北京理工大学はAI、AIとロボット、スマート製造プロジェクトなどの専攻を申請した。北京交通大学はAI、北京建築大学、北京化工大学、中国鉱業大学(北京)はロボット工学を申請した。
専攻の取り消し ファションデザインが最多の17校に
専攻新設の申請と同時に、426の専攻が各大学で取り消される見通しだ。新設される専攻が集中しているのと異なり、取り消し予定の専攻は分散しており、さまざまな内容が含まれる。うち最多は「ファッションとファッションデザイン」の17校。他にも教育技術学、情報・コンピュータ科学、情報管理・情報システム、公共事業管理、商品デザイン、工業デザイン、ネットワーク工学、編集・出版学、数学・応用数学などの専攻も取り消しが多い。
中国教育部の要求に基づき、大学が設置している専攻が5年連続で新入生を募集しなかった場合、原則的には専攻取り消しとなる。しかし5年を待たずして自ら取り消す大学もある。報道によると、山西省では今年、新入生を募集しない専攻は232にのぼる。うち取り消しは85、募集停止は97、間隔を空けての募集は19、教育条件などの要因による一時停止は31で、他にも時代遅れとして77が取り消された。山西省教育庁はこの措置について、教育同一化の問題を解消するためと説明している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月19日