消費主義の台頭とインターネット産業の後押しにより、化粧品、医療・美容、フィットネス、美顔撮影、流行ファッションなどをめぐる個人の外見をよくする「顔面偏差値経済」が中国で爆発的に成長している。
最も直感的に現れているのは、化粧品の売り上げの急増である。中国国家統計局が15日に発表した社会消費財小売データによると、中国の化粧品類の小売総額は前年比22.5%増加し、伸び率は商品カテゴリ別のトップとなった。このような伸びは顔面偏差値経済の中国における巨大な潜在力を示している。
以前は医療美容を試みる人は少なかったが、現在は中国で大衆的な消費になりつつある。
コンサルティング会社のフロスト&サリバンが発表した報告によると、2018年の中国の医療美容サービス業の総収入は1217億元、2014~18年の年平均伸び率は23.6%に達し、2030年に同業界の総収入は3601億元に達する見通し。
そのほか、中国の顔面偏差値経済の消費者は女性だけではない。中国の有名ECサイトの天猫(Tmall)の顔面偏差値経済レポートによると、2018年、男性用ブランドは前年比56%成長、男性用化粧品の売り上げは89%増加した。
復旦大学管理学院市場マーケティング科の洪偉萍教授は、SNSがある環境で育った中国のミレニアル世代は自己意識が強く、自分がどう見られているかを気にし、物事とイメージを真正面から示し、自分の外見を重視する傾向にあり、これは顔面偏差値経済の発展の主な基礎だと話す。
しかし、中国貿易促進会研究院国際貿易研究部の趙萍主任は、インターネットは顔面偏差値経済の発展を後押しする手段に過ぎず、顔面偏差値経済の台頭は中国経済の水準と社会文化の変化により中国人が積極的に美を追求するようになったことが根本的な要因だと見ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月22日