「私たちは心を一つにし、敵の砲火に向かって進む…… 」3月14日18時頃、中華人民共和国の国歌『義勇軍進行曲』がイタリアの首都ローマの住宅地に響き渡った。歌声に混じって「Grazie Cina!」(中国ありがとう)の声が聞こえ、住民が拍手をして賛同するという感動的な光景が見られた。
感染症を抑制するため、イタリアは全国を封鎖し、外出を控えるよう呼びかけている。互いに助け合い、励まし合うため、楽観的なイタリア人は毎日18時にローマの多くの住宅地で「ベランダ・コンサート」を開いている。イタリアの国家、ポップミュージック、オペラなど様々な音楽が聞こえる。
「ここに中国人が住んでいるかわからないが、この国と民族に心から感謝したい」。同日晩、マイクを通してよく響く男性の歌声が聞こえた。歌い終わると、すぐに雄壮な『義勇軍進行曲』が響き渡った。
その場にいたローマ・アート・アカデミーの中国人留学生の段延さんはすぐに携帯電話で撮影した。「イタリアの近所の人たちが手を降ってくれた時、誇らしい気持ちになり、とても感動し、涙が出た」と段延さんは話す。
連日にわたり、中国とイタリアの両国民は協力して感染症と戦い、心温まる場面が多く見られる。
3月12日晩、中国政府が派遣した防疫医療専門家チームは医療物資を持ってローマに到着すると、すぐに作業を開始した。赤十字社からイタリア伝染病医院、ローマ大学附属医院へと移動し、専門家チームはハードスケジュールをこなした。彼らはロンバルディアやヴェネトなどの流行が深刻な地域にも行き、地元の医療スタッフや科学研究者と経験をシェアし、交流した。
イタリア赤十字社のロカ社長は13日の記者会見で、「中国の専門家チームに感謝する。あなたたちはイタリア入りした最初の国際支援者。中国の専門家チームの姿勢に感動した」と述べた。
イタリア国立伝染病研究所の医師らは交流会の後、「予防から診断、治療に至るまで、全ての部分の経験シェアは非常に貴重で有効的なものである。中国の医師は最も先進的で優れた防疫の経験を提供してくれた」と評価した。同所附属医院診療研究室のニコラ・ピーターロッシーロ主任は、我々には中国の経験が必要で、中国側にさらなる科学研究協力の計画を申し出たと話した。
中国の民間援助が次々とイタリアに到着している。アリババが寄付した物資にはオペラ『図蘭朵』の「消えよ、闇夜!黎明に私たちは勝利する」という心温まるメッセージが書かれている。
イタリア現代中国研究センター主任で前駐中国大使のブラダニーニ氏は、「このような困難な時期、中国からイタリアへの援助は高く評価するに値する。中国の医師とイタリアが感染症と共に戦うことは、両国人民の深い友情を証明した」と述べた。
イタリアのある青年は困難な時期に中国が援助の手を差し伸べてくれたことに感謝し、中国の国家を学んで歌った。ナポリの女性は絵を描き、「防疫の第一線で戦うイタリアと中国の医師と看護師に捧げる」と述べた。イタリアのネットユーザーのマークスさんは、駐イタリア中国大使館のSNSアカウントに「中国の医師は人道主義精神を示した。中国の医師に敬意を表する。彼らは(中国の)家に残ることができたのに、ここ(イタリア)で引き続き戦うことを選んだ」とコメントした。
中国の李軍華駐イタリア大使は、「中国人民は中国が困難な時にイタリアが助けてくれたことを忘れない。感染症流行に国境はなく、地球という村で私たちは運命を共にしている。感染症抑制において、中国とイタリアの両国民は協力して困難を乗り切り、助け合う」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月16日