世界初の新型コロナワクチンで全被験者に抗体 生産工場も完成

世界初の新型コロナワクチンで全被験者に抗体 生産工場も完成。それぞれ異なる順序、投与量でワクチンを接種後、被験者はいずれも高力価の抗体が検出され、うち初日と28日後の2回接種後は中和抗体の陽転率が100%に達した…

タグ:武漢 生物 ワクチン 被験者 抗体

発信時間:2020-06-17 15:28:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 国薬集団中国生物武漢生物製品研究所が開発した世界初の新型コロナウイルス不活化ワクチンⅠ・Ⅱ期臨床試験の盲検監査及び段階的盲検解除に関する発表会が16日、北京市と河南省で同時開催された。盲検解除の結果によると、ワクチン接種後の安全性は良好で、深刻な副反応は一人も出ていない。それぞれ異なる順序、投与量でワクチンを接種後、被験者はいずれも高力価の抗体が検出され、うち初日と28日後の2回接種後は中和抗体の陽転率が100%に達した。


 同研究所によると、新型コロナウイルス不活化ワクチンの臨床試験はランダム、ダブルブラインド、プラセボ対照のⅠ・Ⅱ期臨床研究。このワクチンは4月12日に世界で初めて臨床試験の認可を取得し、Ⅰ・Ⅱ期臨床試験は河南省武陟県でも同時にスタートした。


 河南省疾病予防管理センターの主導で66日連続の臨床試験が行われ、新型コロナウイルス不活化ワクチンを2回接種後の安全性と有効性のデータが得られた。それぞれ異なる年齢、順序、投与量、回数についていずれも比較的十分な検査結果が得られた。これまでで最も期間が長く、最もデータが揃い、最も効果が理想的な新型コロナウイルスのワクチン臨床研究結果で、感染予防・抑制及び緊急時使用に向けた科学的かつ評価可能なデータを提供した。


 国薬中国生物によると、今回の研究は18~59歳の健康な被験者を対象に、ワクチン投与量を少量・中量・多量に分け、14日後・21日後・28日後のワクチン接種後の安全性と免疫原性の評価が目的。ワクチン接種後の細胞免疫の変化に特に注目し、ワクチン接種の免疫プロセス、免疫薬量、安全性、免疫原性、体内の抗体レベルの変化動向について考察した。これまでのⅠ・Ⅱ期臨床研究の被験者1120人全員に2回のワクチンが投与された。


 今回の臨床試験案は綿密に練られ、盲検解除の過程は科学的かつ慎重に行われ、喜ばしい結果が得られた。ワクチン接種後は安全かつ効果も得られ、被験者はいずれも高力価の抗体が生成された。18~59歳の中量の投薬量の被験者は初日と14日後、初日と21日後の2回接種後の中和抗体の陽性化率が97.6%、初日と28日後の2回接種後の中和抗体の陽性化率が100%に達した。


 北京の最近の新規感染者から全ゲノムシーケンシングにより発見されたウイルスの新たな遺伝子型について専門家は「ワクチンがあまり効かない、或いはまったく効かない可能性がある」と懸念を示す。一方、国家863計画ワクチンプロジェクトのチーフエンジニアで国薬中国生物の楊暁明CEOは科技日報の取材に対し、「新たな遺伝子型ではあるが、今段階的な盲検解除を行っているワクチンの適用範囲内で、不活化ワクチンの有効性に影響はない」と強調した。


 国薬中国生物はまた、Ⅲ期臨床研究の海外協力を積極的に進めており、すでに各国の企業や研究所との協力が決まっているほか、世界で唯一バイオセーフティとGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理基準)の基準に合った高度なセキュリティレベルで、生産量でも緊急時のニーズに応えられるワクチン生産工場を完成させた。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月17日

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