今回の買収交渉はマイクロソフトにとってSNS市場を占める大きなチャンスであり、簡単に諦めたりはしない。しかも、「買収か禁止か」について、ホワイトハウス内部にも意見の相違があった。スティーブン・ムニューシン財務長官とマイク・ポンペオ国務長官は、マイクロソフトによる買収を支持していたという。
このアプリは米国の青少年に非常に人気があり、特に新型コロナウイルス感染症の流行後、多くの人が外出を減らし、TikTokで遊んだり交流したりしている。TikTokの利用禁止の情報は、米国の若者ユーザーの反響を呼んだ。
ユーザー1億人にこの人気アプリを削除させ反感が起これば、選挙前の肝心な時期にあるトランプ氏は耐えられない。そのため、これはトランプ氏が最大限に圧力をかけるための交渉手段である可能性もある。
そのほか、TikTokの成功はそのユーザーデータがあれば真似できるものではない。企業のコア技術、精神気質、価値観は複製が難しく、米国人が得られるものはTikTokの中身のない殻だけかもしれない。