北京市の趙暁さんは先日、いらない洋服を「低炭素、温もり、愛」のスローガンが書かれた緑の箱に入れた。彼女は、「もしこれらの古着を必要な人がいるといい。少なくとも、捨てる罪悪感を軽減できる」と話した。中国の各大都市には衣類回収箱が設置されているが、チャリティの方向に行く洋服はほとんどなく、発展途上国に販売されたり、焼却されたり、また廃棄物として埋められたりしている。
中国は現在、米国を抜いて世界最大のアパレル市場となっている。しかし、数多くの中国人が大量生産される安価で寿命の短い「ファストファッション」を購入し、その結果、中国で年間約2600万トンの衣類が廃棄され、そのうちリサイクルして再利用されるのはわずか1%に満たない。
このような廃棄物が環境にもたらした代償は巨大である。アレンマッカーサー基金のデータによると、アパレル業界は世界の炭素排出量の約10%を占めており、航空業と海運業を合わせた炭素排出量を上回る。1キログラムの衣類を回収し再利用した場合、3.6キログラムの二酸化炭素排出を削減し、6000リットルの水、0.3キログラムの肥料、0.2キログラムの殺虫剤を節約することができる。
イギリスの繊維リサイクル協会のデータによると、中国の古着輸出が世界に占める割合は2010年は1%、2015年は6.4%で、その多くがアフリカに輸出されている。10年前はケニアに輸出された古着のうち、イギリスは4分の1を占めていたが、現在は中国は最大の供給者となり、約30%を占める。
しかし、中国人が廃棄する洋服の大部分がごみ埋立地に運送され、環境問題は悪化している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年10月20日