ブラジルのニュースサイト「G1」は10日、北京科興生物有限公司とブラジルのブタンタン研究所が共同開発する新型コロナウイルスワクチン「CoronaVac」の臨床試験にストップがかけられた後、ブラジル保健省及び国際独立調査委員会がワクチンの試験を再開するよう提案したと報じた。
G1によると、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は9日、同ワクチンの臨床試験を緊急停止させた。理由は「深刻な副作用」。いわゆる副作用とは、被験者が死亡したことだ。警察側からの最新の報告によると、死者は32歳のサンパウロ在住の男性で、法医鑑定により死因は自殺と判明した。
Anvisaは現地時間10日の記者会見で、ワクチン試験の中止の決定は「技術的」なものと発表した。政府のネットワークが攻撃を受け、ブタンタン研究所から送られてきたデータを速やかに受信できず、9日に受信したデータが不完全であったことから試験停止の決定を余儀なくされたという。
ブタンタン研究所はこれに対して、すべてのデータをAnvisaに送信したと反論した。同研究所のコーヴァス所長は再度、死亡事件はワクチンそのものと無関係であり、試験中止により不要な苦しみと不安が生まれると強調した。しかし倫理及び機密の原則により、同被験者の詳細な情報を開示できないという。
現地紙「フォーリャ・ジ・サンパウロ」によると、ブラジル保健省の国家研究・倫理委員会は10日、被験者の死亡に関する初歩的なデータの分析を行ったところ、「死因はワクチンと無関係」であったとし、同ワクチンのブラジルにおける試験を中止する必要はないと提案した。国際独立調査委員会はAnvisaに同ワクチンの関連データを送り、かつブラジルで同ワクチンの試験を再開するよう提案した。Anvisaは、本件について分析と評価を行っている最中としながらも、ワクチン研究の進捗に関する最新の決定を下していない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年11月11日
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