中国工程院の鐘南山院士は22日、この問題について「英国で発生した変異種は感染力が70%強いとされているが、死亡率などの面に関する変化については具体的な内容が出ていない。ワクチンの有効性への影響についてはさらなる証拠が示されていないが、今後の成り行きを見守る必要がある」と述べた。
WHO緊急対応責任者ののマイケル・ライアン氏は「過去数カ月に渡り新型コロナウイルスに複数の変異が生じており、その一部が感染拡大を促した。しかし深刻な疾患を引き起こす、あるいは診断を逃れられる変異種は存在せず、ワクチンの効力にも影響は及んでいない」と述べた。
またWHOによると、英国はウイルスの変異がワクチンの効果に影響することはないと判断しており、抗体反応の研究結果が今後数日もしくは数週間内に発表されるという。
中山大学附属三院感染科の林炳亮副主任はインタビューに応じた際に、「変異後にウイルスの感染力が強くなるのは、主にウイルスと細胞内の受容体の結合の親和力が上がり、ウイルスが細胞内に入りやすくなるためだ。これにより感染しやすくなる可能性があるが、十分に防護をしていればウイルスに対抗できる」と強調した。
復旦大学公衆衛生学院の博華教授もインタビューで、「現在の呼吸器疾患の対策は従来と変わらず、同じくマスクを着用しこまめに手洗いをする。感染力が強くなったとしても、人々が防護を徹底し、マスクを着用し飛沫を出さなければ他者にうつすことはない」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月23日