世界保健機関(WHO)は現地時間7日、中国医薬集団北京生物製品研究所が研究開発した新型コロナウイルス不活化ワクチン(Vero細胞)が正式に、WHOから緊急使用を認可されたと発表した。
これは西側諸国以外の新型コロナワクチンとしては初で、世界に中国製ワクチンの品質、使用上の安全性、効果がWHOの要求を満たすという積極的なシグナルを発した。国際社会からは、中国製ワクチンがWHOから認可されたことにより、発展途上国に信頼性の高いワクチンの新たな選択肢ができたとされている。世界のワクチン不足を和らげ、ワクチンが届きやすく買い求めやすくなるよう重要な貢献を成し遂げるというのだ。
中国製ワクチン、緊急使用が認可
国薬製ワクチンは初のVVM(Vaccine Vial Monitor)を導入したワクチンで、瓶のラベルは熱を帯びると色が変わる。
医療従事者はワクチンが安全か否かを判断しやすい。しかも一部の西側諸国のワクチンと比べ、国薬製ワクチンは保管しやすいという特徴により、資源が不足した環境に非常に適している。国薬製ワクチンは2-8度の条件下で保存できるが、モデルナ製はマイナス20度、ファイザー製はさらにマイナス80度となっている。厳しい保管条件は、感染対策のペースを落としている。
各国は「中国のワクチンが必要」
WHOは、国薬製ワクチンの認可に伴い、新型コロナワクチンを必要とする発展途上国に信頼性の高い選択肢が増えたと指摘した。アフリカ疾病予防管理センターの関係者は「中国国薬製ワクチンがWHOから緊急使用の認可を受けたことは、感染症により大きな被害を受けている国と人々にとって朗報だ」と述べた。
先進国と発展途上国の間、富裕国と貧困国の間で現在、新型コロナワクチンの分配が非常に不公平になっている。WHO免疫戦略諮問委員会(SAGE)のメンバー、インドのウイルス学専門家は「中国製ワクチンは切実な需要になった」と述べた。
米外交問題評議会世界保健問題上席研究員の黄厳忠氏は、「中国はワクチンの最大の輸出国になっているほか、多くの国にとっては唯一の選択肢になっている」と述べた。
またウルグアイ、セネガル、インドネシアなどの各国は中国以外に援助を求められない状況となっている。インドが先月、ワクチンの輸出を制限すると発表した後、インドネシアとフィリピンは中国に援助を求めると表明した。インドネシア政府は科興から追加のワクチンを獲得したと発表した。フィリピンのドゥテルテ大統領もスピーチの中で、中国から提供されたワクチンについて「感極まる」と表明した。
英誌「ネイチャー」は記事の中で、「多くの国にとって、中国製ワクチンは唯一手が届く存在だ。一部の国、例えば数千万人の接種が終わっているブラジル、トルコ、チリでは中国製ワクチンが80-90%を占めている。これらの国の研究者も、これらのワクチンの感染拡大抑制の効果を確認し始めている」とした。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」も中国製ワクチンの有効性と安全性を積極的に称賛し、中国製ワクチンは世界が感染症との戦いに勝つ希望をもたらすとした。
中国は現在、80数カ国及び3つの国際機関にワクチンの援助を提供しており、50数カ国にワクチンを輸出し、10数カ国とワクチン研究開発・生産・協力を展開している。さらにインドネシア、イラン、パキスタンなどで緊急使用の認可が下りている。中国製ワクチンがますます歓迎されていることは間違いない。近い将来、中国製ワクチンは生産能力の確保を前提とし、より多くの発展途上国に希望をもたらすだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月17日