雲南省の野生のゾウの群れ(15頭)による北上が注目を集めているが、いったいどこに向かうのだろうか。
現場のドローン観測チームは4日、ゾウの群れが昆明市晋寧区法古甸村付近の山林に位置しているのを確認した。ゾウの群れは5日午前、引き続き西南西方向に移動し、緑溪新村付近の山林で活動しているのが確認された。午後になるとゾウの群れは北西方向に移動し、昆明市晋寧区の夕陽郷青竜山付近に出現した。5日午後3時10分の時点では、ゾウの群れはまず南西に向かってから北西に12.1キロ移動し、昆明市晋寧区双河郷から夕陽郷に入り活動した。人とゾウはいずれも無事。1-2日前の9キロ及び6.6キロのペースと比べると、5日はやや道を急いでいたようだ。
それではゾウの群れはこの2日でなぜ急に向きを変えたのだろうか。雲南大学生態・環境学院の陳明勇教授の説明によると、ゾウの群れが昆明市晋寧区に入った後、対策本部と専門家チームが群れの移動方向、都市、郷鎮、村の分布構造を研究・判断したところ、北側がちょうど人口密集地の双河鎮であることが分かった。ゾウの群れが現地住民の脅威になるのを避けるため、双河鎮の法古甸村でダンプカーなどの大型車両を使い北側と東側を封鎖し、西側と南側に適量の食料を置き誘導することを決定した。現在この2つの方法が積極的な効果を発揮し、ゾウの群れが西・南側に数キロ移動した。
ゾウの群れは4−5日にかけて昆明市郊外で食べ歩きした。周辺の村人も事前に警告を受け、速やかに避難措置を講じたため、けが人が出なかった。多くの現地人が、ゾウの群れが通過する光景を撮影した。
昆明の村人は、ゾウの群れが庭に入り、自ら蛇口をひねり水を飲む動画を撮影した。動画では、あるゾウが蛇口を見つけ鼻でひねり水を飲むと、群れの別のゾウも交代で水を飲む。ゾウが立ち去り、ひねりっぱなしの蛇口と「水を大切に」というスローガンが残される。村人は「なぜ閉めずに行ってしまうのか、水を大切にというのが見えなかったのか」と冗談を言った。
同じく4日、ゾウの群れは昆明市晋寧区の道路を訪れた。群れの2頭の小さなゾウが溝を跨ぐ時に足を踏み損ね、おとなしく立ち上がり溝を跨ぎ、引き続き家族と前進した。
映像を見ると、2頭の小さなゾウが足を踏み損ね溝に落ちた瞬間、先を行っていた大きなゾウがすぐに立ち止まり、振り返る。それと同時に小さなゾウの後ろにいた別の大きなゾウも直ちに前に出る。大きな2頭のゾウが直ちに2方向から溝に落ちた小さなゾウの元に駆けつける。
5日は50年目となる「環境の日」だ。中国の今年のテーマは「人と自然が調和し共存する」。雲南省で移動を続ける野生のゾウの群れが最近、注目を集めている。その移動は人類を妨げているが、全体的に見ると大規模な激しい衝突がなく、調和的と言える。特にゾウを観測し追跡する専門人員は保護意識を優先し、作業中に人とゾウの安全と調和を保証している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年6月7日