公共安全のリスクを回避するため、緊急捕捉・移動・管理を経て、雲南省の北上するゾウの群れから単独で離れたゾウが7日午後3時、玉溪市紅塔区から無事に元の生息地、シーサンパンナ国家級自然保護区勐養片区に戻った。帰還が成功した。
観測によると、身長約1.9メートル、体重約1.8トンの約10歳のオスのゾウは今年6月6日に群れから離れ、単独で32日活動していた。群れから72キロ離れていた。このゾウはまず昆明市晋寧区夕陽郷、安寧市八街、玉溪市紅塔区北城街道の各地をさまよった。活動範囲は約140平方キロ、移動距離は約190キロで、餌を食べるか村に入り食料を食べていた。
専門家によると、このゾウは自力で群れに戻るか、元の生息地に戻ることが困難になった。雲南大学生態・環境学院の陳明勇教授は、「このゾウの活動範囲では最近、雨と気温低下が続いており、かつ食料となる自然の植物が減少していた。短期間内に適切な生息地を見つけにくく、長期的に餌を与え続けることで、身体の健康が損なわれる恐れがあった。群れをいつまで離れているか分からず、活動範囲が広く、トラブルを起こす危険性が高く、観測による警戒、安全対策の難易度が高かった。この状況下、効果的な管理措置を講じる必要があった」と述べた。
シーサンパンナアジアゾウ救護・繁殖センターの獣医師である保明偉氏は、「野生動物の麻酔による捕獲技術は現在、比較的成熟しており、動物への危害が少なく成功率が高い。麻酔により捕獲し野生のゾウを移動させるのは、国際的な慣例であり、国内でも麻酔によるアジアゾウ捕獲に成功した実践経験が多い」と述べた。
情報によると、麻酔から目覚めたこのゾウの各種バイタルサインが正常で、すでに安全に生息地に戻っている。
シーサンパンナ国家級自然保護区管護局の沈慶仲氏は記者に、「このゾウはすでに自然に戻ったが、シーサンパンナ国家級自然保護区管護局は今後その常態化観測を実施し、健康及び適応状況を注視する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月8日