中国が選んだ不活化ワクチンという技術ロードマップは間違いではないかと疑われたことがある。不活化ワクチンはウイルスを大量に培養する必要があり、スムーズに生産量を拡大できず、新型コロナウイルスの感染拡大への対応が難しいからだ。
ところが中国人はこの不可能を可能に変えた。竣工し稼働開始したばかりの世界最大の新型コロナウイルス不活化ワクチン生産ラインの生産能力は、年間30億回分にのぼる。
北京市大興区で、3600平方メートルの土地に激変が生じた。
わずか数十日で325本の杭が打ち込まれ、4階建ての建物が完成した。周辺の警備設備は関係者以外の接近を探知すると、直ちに離れるよう警告を出す。
ここは国薬集団の新型コロナウイルス不活化ワクチンを生産する3期ラインだ。これは現在、世界で生産能力が最大の新型コロナウイルス生産ラインであり、世界最大のバイオセーフティーレベル人用ワクチン生産ラインでもある。
中国企業がワクチン生産能力の建設を急ぐなか、国務院新聞弁公室は16日、中国の新型コロナウイルスワクチンの生産能力が年間50億回分に達したと発表した。
国薬集団中国生物の楊暁明会長によると、同社3期ラインの新型コロナウイルスワクチンの生産能力は年間30億回分にのぼる。
このセーフティレベルが高く、生産規模が大きいラインは、1年以上前であれば人類の歴史に登場していなかった。
さらにはその登場はありえないとする見方が強かった。
メディアは半年以上前、中国疾病予防管理センターの主任である高福院士に対して、「西側はなぜ新型コロナウイルスの不活化ワクチンを作らないのか」と質問した。高氏は客観的に「不活化ワクチンを生産する企業は、バイオセーフティーレベル3の基準を満たさなければならない。中国は実験用のP3実験室をワクチン生産が可能な環境に変え、その中で多くのバイオセーフティー問題を解消した。西側はそうしなかったため、不活化ワクチンというロードマップを選ばなかった」と回答した。
世界最大の新型コロナウイルスワクチンの生産ラインが歴史的に完成し、稼働開始となった。人類の免疫の「鉄壁」を作る新型コロナウイルスワクチンが尽きることなく生産され、世界各地に送られる。中国は世界に5億7000万回分の新型コロナウイルスワクチンを供給した。中国のワクチン接種回数は14億回を突破し、さらにより多くの人に普及しようとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月25日