中国科学院動物研究所の劉光慧研究員は8日、「科技日報」の記者に「ヒトゲノムのうち8%の『化石』配列は古ウイルス遺伝子から整合されたもので、その活性化が老化を誘発することを初めて発見した。研究はさらに、これらの遺伝子の『復活』の抑制により、組織と有機体の老衰を遅らせることができると証明した」と述べた。関連研究は学術誌「セル」(電子版)に掲載された。
人類の免疫系は100万年に渡りウイルスの侵入に積極的に対応し、これをヒトゲノムにおける宿主細胞の遺伝調節システムに整合し、共に進化した。劉氏によると、老衰細胞の中では緻密なDNAパッケージングが緩み、これにより古ウイルス遺伝子の転写が活性化する。しかも翻訳によりウイルスタンパク質を生み出し、パッケージングによりウイルス粒子にする。これらのウイルス粒子は器官、組織、細胞間で老衰信号を効果的に伝達し、これを拡大する。最終的に周囲の若い細胞が「感染」し老化する。
チームはメカニズムを解明した後、ウイルス抑制の方法を模索する。劉氏は、「まずゲノム編集により古ウイルス遺伝子を復活させる調節部分を沈黙させる。全体の潜伏、復活、細胞間の伝達などの部分の解析により、研究者はより多くの抑制プランを開発する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月15日