中国が中度高齢化社会に入る中、老後の暮らしが2023年全国両会（全国人民代表大会と全国政治協商会議）の会期中のホットな議題になっている。

    全国政治協商会議（全国政協）委員、中国農工民主党中央委員、陝西省高級人民裁判所副院長の鞏富文氏は取材に応じた際に、現在は「政策熱、市場冷、企業難」という養老サービスの苦境が生じていると述べた。

    鞏氏は、「在宅養老は現在、中国の養老形式の主流になっている。子供による介護が大きな割合を占めている。政府による民間化在宅養老を支援する実質的な政策が不十分だ。自宅の環境の高齢化に適した改修が不足している。また民間資本が投資する民間養老機関の多くが借金を抱えている段階だ」と述べた。

   中国各地の各部門は近年、養老サービス体系をさらに改善している。公式データによると、昨年第1四半期現在の全国の各種養老サービス機関及び施設は36万カ所で、ベッド数は812万6000床と2012年末の2倍弱にのぼっている。

   中国の高齢化進行に伴い、養老サービスが直面する新たな問題を解消する必要がある。

   全国両会の会期中、中国民主促進会中央は「在宅養老モデルの改善、高齢化に積極的に対応」に関する案を掲げ、家庭内の介護者への政策支援を強化するよう提案した。

   中国民主促進会中央は、「介護休業制度を改善し普及させ、高齢者の年齢及び要介護の程度に基づき介護を担当する親族の休暇日数を合理的に制定する。高齢者扶養の税還付を踏まえ、家庭内の介護者の税還付をさらに拡大する。同時に家庭内の専業の介護者に焦点を絞り、生活が困難な場合に手当を支給し、フレキシブルワーカーを参考に長期的に家庭内で高齢者を介護する人を社会保険体系に組み入れる」と提案した。

   全国人民代表大会（全人代）代表、人福医薬集団会長の李傑氏はコミュニティの養老について、「コミュニティを中心に生活サービス、養老機関、医療サービス、ビジネスサービス、政府支援などの資源を集め、力を合わせる。例えばコミュニティは現地の条件に基づき信頼性及びコストパフォーマンスの高い家事代行会社及び養老機関を設立するか導入し、高齢者にスムーズな生活サービスを提供し、かつサービスの質を追跡・監督する」と提案した。

   全国政協委員、中国人寿集団会長の白濤氏は、「民間機関の養老サービス産業への参入を奨励・支持する。保険機関を含む運営が規範的な民間機関に優遇支援策を提供し、養老施設の改修や養老ベッドへの補助を拡大する。さらに養老機関の監督管理を強化し、養老産業参入制度を構築する。参入機関を厳しく審査し持続的に監督し、違法経営や低水準の秩序なき競争を回避する」と提案した。

   また養老機関と大学及び専門学校の協力を掘り下げるべきだ。九三学社上海市委員会は、「校企協力」を在宅養老・介護の育成モデルに運用するよう提案した。高齢者の需要に基づき、養老・介護専門訓練カリキュラム及び高齢者介護専門職評価体系を改善し、多層的で高素養の養老・介護人材を育成するとした。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年3月7日