本作は中国系の家庭の生活を本筋とするが、そのストーリーテリングは非常に米国らしい。米国社会の内部の問題に焦点を絞り、人種や性別、伝統的な家庭や複雑な新しい状況、平凡な生活や各所に見られる税務機関の管理など、世界的な話題性を持つ映画ではない。本作は米国の映画及びアカデミー賞の特色を持つ「内向き志向」の作品で、反映する社会生活及び奇異な想像には米国らしさが際立っている。これは米国映画の世界的な影響力の低下という状況の例証でもある。近年のアカデミー賞では、この特徴がますます顕著になっている。監督や俳優の人種が多様で、映画のストーリーも多様だが、最終的にアカデミー賞に選ばれるのは米国内部の状況を見据える「芸術作品」だ。これは近年の世界の変化における米国映画そのものの変化の特徴となっている。(筆者・張頤武北京大学教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月14日
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