中国北方の各地が最近、猛暑に見舞われている。37度以上の高温影響面積は約45万平方キロメートルにのぼり、京津冀(北京・天津・河北)や山東省などの21カ所の国家気象観測所が1日の最高気温を更新した。南方地区の広い範囲の大雨が続き、100ミリ以上の降雨カバー面積が20万5700平方キロメートルにのぼっている。
太平洋赤道域の中部から東部の海面温度が6月に入り大幅に上昇し、現在すでにエルニーニョ現象が発生している。国家気候センターの予測によると、太平洋赤道域の中部から東部は今後3カ月に渡りエルニーニョ現象が続き、海面温度が持続的に上昇し、今秋に中等以上の強度の東部型エルニーニョ現象が発生すると予想した。
専門家は、「世界的な温暖化を背景とし、中等以上の強度のエルニーニョ現象が重なり、より高頻度かつ広範囲でより強い異常気象が発生する可能性がある」と述べた。
国家気候センターが過去のデータを分析したところ、エルニーニョ現象が発生した年の夏に、華北南部、華中北部、華東中部、西北地区東部などの気温が高めで、一部地域では高温日数が30日以上にのぼった。
中国気象局気候サービス首席専門家の周兵氏は、「エルニーニョ現象が発生する年の夏、西太平洋亜熱帯高気圧が南寄りで強くなることが多く、これにより中国南方地区の降水が増える。このほど江南や華南などで大雨が多発しているが、これはエルニーニョ現象の影響の現れだ」と述べた。
国家気候センターは、エルニーニョ現象の強化を受け、中国の華東南部、華中南部、西南地区南部で今夏、降水が多くなり、洪水のリスクが拡大すると予想した。西北地区東部は降水が少なく、干ばつが発生する可能性が高いという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月25日